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日蓮大聖人・池田大作

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全国最高協議会(4) 広宣流布は慈悲の闘争

2004.7.29 スピーチ(2004.1〜)(池田大作全集第96巻)

前後
8  ヴェイユは、権力の魔性の本質を、鋭く見抜いていた。
 彼女は言う。権力というものは「精神的な価値をまったく殺してしまうものだ」(「ある決算のための考察」花輪完爾訳、『シモーヌ・ヴェーユ著作集』1所収、春秋社)
 そのとおりである。だからこそ民衆が権力を厳しく監視していかねばならない。
 彼女は、独裁権力との闘争に身を投じた。スペイン市民戦争が勃発するや、即座にスペインに入国し、ファシズムと戦う義勇軍に志願して従軍した。一九三六年のことである。
 第二次世界大戦では、ナテスと戦うレジスタンス運動に参加した。捕まれば、命の保障はない。
 けれども彼女は信念を曲げなかった。苦しみ、戦っている同胞がいるのに、何もせずにいるなどということは、彼女には耐えられなかったのである。
 苦しむ友、悩める友の話を聞くと、いてもたってもいられない。わが身を顧みず、駆けつける――そういう学会の婦人部、女子部の姿を、ほうふつさせる。
9  ヴェイユが亡くなったのは一九四三年。肺結核と栄養失調が原因といわれる。まだ三十四歳の若さであった。
 主な著作に『根をもつこと』『抑圧と自由』『重力と恩寵』などがある。著作の大半は死後に編纂された。彼女の思想と行動は、文学者をはじめ世界に大きな影響を与えた。
 彼女が生きた時代は、女性の社会進出への偏見が、いまだ根深い時代であった。そのなかで、彼女は、人間的な友愛と連帯に生きぬいた。
 彼女は言った。
 「真理は一つである。正義は一つである」(「政党の全面的廃止についての覚え書」山崎庸一郎訳、同著作集2所収)
 正義は一つであり、その旗のもとに民衆は集い来る。われらは世界平和の大道を、大確信をもって進みましょう!
 最後に青年部に、ヴェイユが教え子にあてた手紙の一節を贈りたい。
 「大切なのは、おのれの人生を損わないことです。そのためには、みずからをきたえなければなりません」(「あある女生徒への手紙」橋本一明訳、同著作集1所収)
 今こそ鍛えの時である。何ものにも負けない自分自身を築くのだ。
 どんな迫害も覚悟の上だ。来るなら来い―――この心意気が、草創以来の学会の魂である。
 一生涯、わが信念を貫く。師弟の道、同志の道を行く――これが最も偉大な人生である。
 あのヴェイユのごとく、ジャンヌ・ダルクのごとく、わが友よ生きぬけ―――と申し上げ、記念のスピーチとしたい。
 最高の幸福の人生を、ともに生きぬきましょう!
 (長野研修道場)

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