8わが辞書には″敗北″という文字はない 創立者の令嬢であられるフェ・フアレス副学長が、お母さまのことを誇り高く語られた言葉に、私も妻も、深く感銘しました。 それは「わが母の辞書に″敗北″という文字はありません」というひとことです。 われわれも、この言葉でいきましょう! フイリピンのお母さまに続きましょう! 何があっても、負けない。それが「勝ち」です。「負けない」ことが「勝利」です。 絶対にあきらめない。断じて屈しない。これがすなわち、勝利なのです。これこそ、幸福博士の真髄の哲学です。 きょうの夕方、オリンピックの聖火が、この会場のすぐそばを走る予定です。(二〇〇四年六月六日、アテネ五輪の聖火リレーが東京で行われた。聖火は史上初めて五大陸を巡り、日本にはオーストラリアから空輸された) 思えば、貴大学のロマン薫る「キャピトル」という名称は、いにしえの人文学の源流を踏まえながら、「学問の中心」「青年の中心」という、深遠な意義をこめて命名されたとうかがっております。 本日、先生方は、その知性の殿堂より、人類の未来を照らす「英知の火」「正義の炎」を運び、私たちの心に明々とともしてくださいました。 尊敬申し上げる貴大学の先生方とご一緒に、私たちは、この崇高な精神の炎を燃えあがらせ、戦争のない、暴力のない、殺人のない、生命尊厳の地球社会の建設へ、勝ち進んでまいろうではありませんか! 9未来は私の手に 終わりに、貴国の第三代大統領(一九四六年のアメリカからの独立以後の第三次共和国第三代大統領)である、マグサイサイ大統領の言葉を引かせていただきたい。 「民主主義の本質が、国民の政治への参加であるならば、民主主義は、国民の″教育への愛″と″学問への情熱″が、最大限に表現され、まっとうできるところで最も栄えるだろう」(Aurelia del Fierro, Magsaysay : the leader of the masses, translated from the original Spanish by Luis Serrano, Manila) まったく同感です。人間教育なくして、民主主義はないのです。少しむずかしいかもしれないが、よくかみしめてほしい名言です。 さらに、リサールは言いました。 「我々が一つにしっかりとまとまれば、組織もますます強くなっていく」(前掲『暁よ紅に』) そして、こうつづっております。 「勝利は、あらゆる戦線で勝ちどきの声をあげようとしている」「おお、そうだ! 未来はわれわれのものだ」(『反逆・暴力・革命』岩崎玄訳、井村文化事業社) きょう、お集まりのすべての皆さま方の、ご健康とご多幸、そして栄光・勝利の人生行路を断じて勝ち抜いていかれんことを祈り、私の心からの御礼のスピーチといたします。 ありがとうございました。 (創価国際友好会館)