Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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全国最高協議会 「心をつかめ」「人間のなかへ」

2004.6.2 スピーチ(2004.1〜)(池田大作全集第96巻)

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17  一人一人を大慈悲で包んで
 ここで「佐渡御書」に学びたい。日蓮大聖人が、流罪の地・佐渡の塚原三昧堂から、不惜身命の信心を貫くよう、門下一同を励まされたお手紙である。
 冒頭に、こうつづっておられる。
 「この手紙は、富木殿のもとへ送り、四条金吾殿、大蔵塔の辻入道ら、桟敷の尼御前、その他これを見ていただくべき人々、一人一人にあてたものです。
 京都と鎌倉の合戦で亡くなった人々の名を書き付けて送ってください」(御書956㌻、通解)
 (京都・鎌倉の合戦とは、「自界叛逆難」の的中となった「北条時輔の乱」のこと。大聖人門下にも、この合戦で死亡した人があったと思われ、追善供養のため、名前を知らせるよう仰せになったと拝される)
 また追伸として、こう仰せである。
 「この手紙を、志のある人々は寄り集まってご覧になり、よく思索して心をなぐさめてください」
 「伊沢の入道、酒部の人道は、どうなったでしょうか。
 河辺、山城、得行寺殿などのことは、どうなったのか書き付けて知らせてください」(御書961㌻、通解)(一説には、これらの門下は、竜の口の法難で土牢に幽閉されたとされる)
 命にも及ぶ大法難、大闘争の連続のなかにあって、大聖人が、どれほど大きく、一人一人の門下を包んでおられたか。一人一人のことを胸の奥深くに入れながら、どれほどこまやかに手を打ち、温かく励まし、皆に張りあいを与えていかれたか。そのお振る舞いの一端を拝する思いである。
 大聖人の大慈悲のお振る舞いがあったればこそ、弟子たちも、あれほどの大難を、ともに乗り越え、勝ち越えることができたのである。
18  大聖人に直結して、末法今時において、各方面の広宣流布を託されている指導者こそ、皆さまである。どうか、大切な大切な同志一人一人を胸に入れながら、「仏の軍勢」を勝利へとリードしていただきたい。
 一生懸命に戦っている同志の尊き労苦の姿を、くれぐれも見逃すことがあってはならない。心から讃嘆していくことである。
 あの『三国志』の大英雄・諸葛孔明も、名指導者の要件として、″天よりも曇りのない目をもって、人物の善悪を見極めること″をあげていた。
 そして、国土のすみずみまで心を配りながら、公平かつ厳正な目をもって、優秀で善良な人間を登用し、貪欲で惰性の人間はしりぞけていくことを強調した。そうすれば、良き人材は雲のように集まってくるというのである。(守屋洋編訳『諸葛孔明の兵法』徳間書店。参照)
 孔明は、恩を忘れて自分の繁栄ばかりを考え、全体のことを心配する気持ちをまったくもたない人間、また、自分は何もしないくせに、いばって他の人々を非難する人間に対しては、まことに厳しかった。
 そうした人間を放置しておいたら、将来に破滅と禍をもたらしてしまうからである。厳しいようであるが、大切な歴史の教訓である。(中村史朗『諸葛孔明語録』明徳出版社。参照)
 わが創価学会は、悪とは断じて戦いながら、善き同志と同志の、生き生きとした「異体同心の団結」をもって、幸福と正義の「永遠の都」を築きあげていきたい。
19  勇敢に! われらこそ「日本の柱」
 諸葛孔明の勝利の将軍学には、こうある。
 「これに先んずるに身をもってし、これに後るるに人をもってすれば、士勇ならざるはなし」(前掲『諸葛孔明の兵法』)
 指導者が率先して事に当たれば、皆が勇気を奮い起こす。
 「軍は勢を用うるに成り」(同前)
 戦いは、勢いに乗れば勝つというのである。
 どうか皆さまは、「創価の諸葛孔明」として、模範の指揮をお願いしたい。
 どうせ戦うならば、悔いなく戦うことだ。使命に燃え立つ一人の人間が、偉大なる妙法に生きぬく時、どれほどの力が出るか。思うぞんぶん、やってみることだ。
 味方をつくり、広宣流布の陣地を広げ、永遠不滅の大勝利の叙事詩をつづってまいりたい。
 終わりに、「開目抄」の一節をともどもに拝して、記念のスピーチとしたい。
 「種種の大難・出来すとも智者に我義やぶられずば用いじとなり、其の外の大難・風の前の塵なるべし、我日本の柱とならむ我日本の眼目とならむ我日本の大船とならむ等とちかいし願やぶるべからず
 健康勝利の前進を! 楽しき行進を!
 各方面の同志に、どうかくれぐれも、よろしくお伝えください。ありがとう!
 (東京・新宿区内)

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