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日蓮大聖人・池田大作

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全国最高協議会 迫害は「正義」の誉れ

2003.11.25 スピーチ(2003.7〜)(池田大作全集第95巻)

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20  最後の勝利は正義にある
 きょう十一月二十五日、中国の大文豪で、私も四度の語らいを重ねた巴金先生が、百歳の誕生日を迎えられた。私は祝電を送らせていただいた。巴金先生のますますのご長寿を祈りつつ、迫害と戦った「ペンの戦士」の魂の叫びを、胸に刻みたい。
 先生は「正義は必ず勝つ」と信じておられた。
 「私が邪は正に勝てないと言うのは、どんな社会にも是と非、光明と暗黒の闘争があり、最後の勝利は当然、正義にあり、光明にあるからです」(『無題集』石上韶訳、筑摩書房)
 また「砂上の楼閣が堅固なはずはなく、うその上に築き上げた権力も長続きするはずがない」(『真話集』石上韶訳、筑摩書房)
 「人は、うそで自分を欺くことはできない」(前掲『無題集』)と。
 先生は、民衆が強く賢くなることを待望しておられた。
 「人民大衆こそ最もすぐれた審判者である」(『随想録』石上韶訳、筑摩書房)
 「はっきりと言えることが一つある。それは、多くの人々が、確固として自立した思想を持ち、唯々諾々と従うことをせず、真実を語り、真理を信ずるならば、一切の醜悪、虚偽は、必ずや、大いに減っていくであろうということだ」(「文匯報」二〇〇三年十一月二十一日付)
 先生は、「一人立つ」信念の大切さを、命に刻んでおられた。
 「たくさんの人物の運命が、私の確固不抜の信条を強めてくれた。その信条とは、生命の意義はこれを差し出すこと、何かに献げることにあり、受け取ること、獲得することにはない――これである」(『病中集』石上韶訳、筑摩書房)
 「ひとたび口火が切られれば、それについで前進する人が出るはずである。
 第一歩を踏み出せば、第二歩はたやすく踏み出せる。誰かが先頭に立てば、これに続く人にこと欠かないはずである。こうして道行く人は、一層ふえるに違いない」(前掲『無題集』)
 「世界の平和と幸福の道」の先頭に立ちゆく大切な皆さま方のさらなる健闘を、私は祈りたい。
21  最後に、私が青春時代から好きだった言葉を贈らせていただきたい。
 アメリカの詩人ホイットマンは『草の葉』で謳った。
 「ぼくぐらい大胆で誠実な人間がこの宇宙にいるものか」(酒本雅之訳、岩波文庫)
 宇宙でいちばん大胆に! 宇宙でいちばん誠実に! われらも、そのように生きたい。
 古代ギリシャの詩人ソフォクレスは、「言葉に真実があれば、常に最大の力を持つものだ」(「作品名不詳断片」995、木曽明子訳、『ギリシャ悲劇全集』11所収、岩波書店)と述べている。真実に勝る武器はない。
 そしてまた「韓国のガンジー」と讃えられた独立の父・安昌浩先生の信念は、「他人が一つ行う間に十は行う気概を」であった。(李光洙『至誠、天を動かす』興士団出版部編、具末謨訳、現代書院)
 人間は、決意した分、いくらでも大きくなれる。力がわいてくる。
 有名な仏典に「過去の因を知らんと欲せば其の現在の果を見よ未来の果を知らんと欲せば其の現在の因を見よ」(心地観経)とある。
 今、決意の戦いを起こすことが、次を「希望と幸福への勝利」とすることだ。
 結論するに、「現在を勝つこと」が、「未来を勝つこと」なのである。
 信心は、勝つための原動力である。
 ゆえに私は、「この一生を、師子となりて走りぬけ! 生きぬけ!」と申し上げたい。
 「創価完勝の年」へ、皆さま方が、ますます、健康であり、希望に燃えて前進されゆくことを、私は祈っています。
 大勝利への力強い第一歩を決意しあい、約束しあって、記念のスピーチとしたい。
 (東京・信濃文化センター)

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