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日蓮大聖人・池田大作

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南フィリピン大学「名誉人文学博士号」授… 大誠実の対話を 万人に尊き生命が

2001.10.27 スピーチ(2001.8〜)(池田大作全集第93巻)

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2  正義の人の最後は、壮絶でありました。国家に最大に貢献し、未来の繁栄をもたらした大指導者に対して、国家権力は「銃殺刑」をもって報いたのです。
 これが歴史の常であります。情けないです、人間の世界は。
 すべては人間で決まります。ゆえに人間が変わらなければ、世界も変わらない。だからこそ「人間革命」が必要なのです。
 ともあれ、本年(二〇〇一年)は、博士の生誕百四十周年。
 この博士の信念をば、だれにも増して、強く深く受け継いでおられる巌のごとき指導者こそ、ここにお迎えした、お二人の先生であります。(拍手)
 気高き両先生とご一緒に、きょうは、歴史的な「世界市民の平和の式典」となりました。
 大前進、大拡大、大勝利の東北、そして第二総東京の総会、本当におめでとう!(拍手)
3  デュテルテ学長「政治家は公僕、庶民に仕えよ!」
 心から尊敬申し上げるデュテルテ学長、ならびに(フイリピン・リサール協会の)キアンバオ前会長。ただ今、私は、最高に栄えある貴・南フィリピン大学の名誉人文学博士号を、謹んで拝受いたしました。深くまた深く、心より感謝申し上げます。ありがとうございました!(拍手)
 貴国屈指の人道主義者として市民から大きな尊敬を集めるデュテルテ学長は、セブ市の名市長としても、民衆奉仕へ不滅の足跡を残されました。
 ある時は、水不足に苦しむ地域のために奔走され、また、ある時は、目の不自由な子どもの視力の回復のために全力を尽くされる等々――その尊き実績は、枚挙にいとまがありません。
 「政治家とは公僕である。ゆえに庶民に仕えることこそが、何よりの喜びであらねばならない」
 これが、デュテルテ学長の信念であり、信条であられた。
 だからこそ学長は、傲慢な政治家たちが、あまりにも堕落している現実に激怒された。
 そして、根本的な改革のためには、教育しかない――と立ち上がられた。
 こうして学長は、腐敗の政界と決別し、愛する母校の大建設へ、新たな人生を捧げてこられたのであります。
 この点、高名な国会議員であられたキアンバオ前会長も、同じく、高い地位を、あえて振り捨てて、ただ、リサール博士の思想を世界に宣揚するために、死力を尽くしてこられました。
 お二人は、権力や名声など、悠然と見くだしながら、つねに民衆の側に立ち、そして、青年とともに戦い続けてこられたのであります。
 私たちは、ここに、満腔の敬意をこめて、心からの賞讃と共感の大拍手をお送りしたいのであります。(拍手)
4  貴・南フィリピン大学は、「学生第一主義」を根本として進んでこられました。大学は、学生が根本です。わが学会も、第一線の会員が根本であります。
 デュテルテ学長の明晰なビジョンのもと、貴大学では、教授も学生も一体となって、「平等」と「尊敬」と「対話」に基づいたうるわしい連帯を結びあっておられる。
 そして、貴大学は、「人間と人間」、また「人間と環境」の新しい共生のモデルを示しながら、地域へ、社会へ、大いなる変革の波動を広げておられることも有名であります。
 私たちも、法華経に説かれる不軽菩薩の実践のごとく、たがいの生命を最大に尊敬しあう大誠実の対話を、さらに強め、さらに拡大していかねばならないと訴えるものであります。
 ここにしか、平和創造への確かなる力の結集はないと、私は、申し上げたい。
 なお、本日は、妻にも意義深き顕彰を賜り、重ねて御礼を申し上げます。
 (授与式の席上、フィリピン・リサール協会初の「世界の平和の母賞」がキアンバオ前会長からSGI会長夫人に授与された)
 この栄誉を、「教育の本陣」である第二総東京と、「人材の大城」である東北の、けなげな婦人部・女子部の皆さま方とご一緒に受けさせていただくことを、妻は、何よりも喜びとしております。(拍手)
 思えば、リサール博士が日本に滞在中、鑑賞し、ひときわ心を動かされた歌舞伎がありました。
 それは、東北の伊達藩を題材にした「先代萩」という劇であります。
 簡単に申し上げれば、邪悪な陰謀をうち破るために、すべてをなげうって戦い通した女性の壮絶な人生を描いた、たいへんに有名な物語の一つであります。
5  不当な侮辱には猛然と反撃を
 さて、本日から、二十一世紀の最初の「読書週間」が始まります。
 昨今は、本が読まれなくなりました。その一方で、噂話や憶測に満ちた、商業主義の低俗な活字ばかりが目立っていると、心ある多くの方々は憂慮しています。
 良書を読み、悪書は退ける――それこそが本当の「読書週間」ではないでしょうか。
 キアンバオ前会長と私がご一緒に、リサール博士をめぐって論じあった対談も、このほど『世界の文学を語る』として、出版の運びとなりました。(潮出版社から二〇〇一年十月三十日に発売)
 この本には、ケニア作家協会の会長として名高い、ナイロビ大学のインダンガシ教授との「アフリカ文学」をめぐる対話なども収められております。
 なお、うれしいことに、キアンバオ前会長は、フィリピンで発刊された、前会長と私の″リサール対談″を収めた英語版書籍を、本日、お持ちくださいました。(拍手)
 この対談でも語りあいましたが、若きリサール博士は、愛する祖国の民衆に不当に浴びせられてきた侮辱には、猛然と反撃し、断固として論破しゆく、執念の言論戦を繰り広げました。
6  「人間の幸福のためにわが身を捧げよ」それがリサール精神
 リサール博士は、誇りも高く叫んでおります。
 「われわれは、一層の正義と自由と、だれ人も侵すことのできない人間の権利のために戦うのだ! われわれは自分たちのためには、何も求めない。皆の幸福のためにすべてを捧げているのだ。ゆえに、何を恐れることがあろうか」と。
 皆の幸福のために、すべてを捧げたい!――これがリサール博士の精神です。創価学会も同じです。
 自分のためでなく、ただ、人のために――この心があったから、学会は大発展してきたのです。
 ここに、もっとも正しい人間としての生き方がある。ゆえに、私たちもまた、何も恐れることはありません。
 どこまでも学会は、日蓮大聖人の仰せのとおりの広宣流布の大道を、堂々と、そして朗らかに進んでまいりましょう!(拍手)
7  私が心から信頼する「大東北」の皆さま方! きょうは、本当に、よく来てくださいました!(拍手)
 すばらしい東北になりました。力ある新しい人材も育ってきた。私は、本当にうれしい。
 広宣流布の人生ほど、偉大なものはありません。ゆえに学会の中で生きぬくことが、どれほど幸福なことか。その意味で、先輩は、皆に感謝し、今まで守ってもらった分、後輩に尽くしていく人生であっていただきたい。
 そして、いくつになっても、心は生き生きと、光り輝く存在であっていただきたい。
 ともあれ、遠方から来られた東北の皆さま方を、私は「まさに仏を敬うが如く」真心でお迎え申し上げたい。
 そしてまた、第二総東京の偉大なる同志の皆さま! いつも、本当にありがとう!(拍手)
 いよいよ、第二総東京の時代です。水が美しく、緑が美しく、心が美しい。これが第二総東京です。
 先ほどのスピーチで学長は、仏法の「一念三千」について述べてくださいました。
 今、世界の多くの識者が、仏法の英知に共感し、学会の「人間主義の運動」に期待してくださっています。
 この「一念三千の大哲学」を高らかに掲げながら、新世紀の平和と幸福の「新たな開拓」をしているのが、創価学会です。偉大なる使命の団体なのです。
 東北の皆さま、第二総東京の皆さま、「どうか、万事よろしく!」と申し上げたい。(拍手)
8  いかなる悲劇があろうとも、人間の「善の力」を信じよう
 今月(十月)十六日、ノーベル平和賞受賞の大科学者で、まもなく九十三歳になられるロートブラット博士が、はるかロンドンから、アメリカ創価大学を訪問してくださいました。
 博士とは、これまで、二度お会いしました。沖縄まで、わざわざ訪ねてくださったこともあります(二〇〇〇年二月二十日)。私の大事な友人であります。
 博士は、創価学会を深く信頼してくださり、さらにはアメリカ創価大学にも限りない期待を寄せてくださっております。
 アメリカ創価大学での講演で、博士は″眼前にいかなる悲劇があろうとも、われわれは、人間の善なる生命を信じぬいて、戦争なき世界の実現に挑戦すべきだ″と訴えられました。
 アメリカ創価大学にこそ、その使命がある、とのお心でありましょう。この博士の叫びを若き生命に刻みつけながら、アメリカ創価大学の学生自治会の初代委員長が、代表として、凛々しく感謝のあいさつをしました。
 その颯爽たる初代委員長は、じつに、貴国フイリピン出身の青年であります。
 リサール博士たちが命をかけて蒔かれた世界市民の「教育の種」は、アメリカ創価大学でも、凛然と見事な花を開かせようとしているのであります。(拍手)
9  大先輩の大学である貴・南フィリピン大学は、明年(二〇〇二年)、創立七十五周年の佳節を迎えられます。
 限りなく陽光燦たる貴大学のご隆盛を、私たち一同は、心からお祈り申し上げるものであります。
 貴大学の名誉博士であり、戦後日本の「信教の自由」の道を開いてくれた恩人でもある、マッカーサー元帥は語りました。
 「自信があれば若く、不安を抱くときは老いる」「美と希望と喜びと勇気のメッセージを受けつづけるかぎり、若い気持を維持できる」(ウィリアム・マンチェスター『ダグラス・マッカーサー』下、鈴木主税・高山圭訳、河出書房新社)
 生きているのか、死んでいるのか分からないような人生ではつまらない。どうか、朝も昼も夜も、「勇気」と「自信」に燃えて、生き生きと進んでいただきたい。
 「社会を変載しようとするならば、まず、自分自身から変革せよ」とは、貴大学に脈打つ精神であります。
 第二総東京と東北の皆さまも、この二つが軸となって、「新しい創価学会」を、「新しい社会」を、そして、「新しい自分自身」を築きゆく、変革の模範となっていただきたい。
 二十一世紀を、断じて「平和と教育の世紀」にしてまいりたい。
 そのためにき大学とともに、自分自身の崇高なる「人間革命」の歴史を、深く強くつづりゆく一人一人となることを誓いあって、私の謝辞とさせていただきます。
 マラミン・サラマッポ!。(フィリピン語で「大変にありがとうございました」)
 (東京牧口記念会館)

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