Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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東京婦人部の最高協議会 世界の文学を語る(2)――ダンテ『神曲』

2001.2.19 スピーチ(2000.11〜)(池田大作全集第92巻)

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13  地獄も浄土もわが胸中に
 日蓮大聖人は、一人の女性の門下(南条時光の母)に、究極の生命の法理を教えておられる。
 「そもそも浄土というのも地獄というのも、どこか外にあるわけではありません。ただ、私たちの胸の中にあるのです。これを悟るのを仏といい、これに迷うのを凡夫といいます。これを悟るのは法華経です。ですから、法華経を受持申し上げる人は、地獄即寂光と悟ることができるのです」(御書1504㌻、通解)と。地獄も、浄土も、すべて、わが胸中にある。妙法を信じ、唱え、弘めゆくとき、胸中に霊山浄土が力強く広がっていくのである。
 さらに大聖人は、別の女性門下(日女御前)に、こうも仰せである。
 「(法華経の)宝塔品の時には、多宝如来、釈迦如来、十方の諸仏、一切の菩薩が集まっておられます。この宝塔品が今、どこにあられるかと考えてみますと、それは日女御前の胸の間の八葉の心蓮華のなかにこそあられると日蓮は見るのです」(御書1249㌻、通解)
 三世十方の仏菩薩が、ことごとく結集した壮大なる虚空会の儀式は、広宣流布に生きゆく人の胸の中にあるとの仰せである。
 皆さまの生命の中に、全宇宙の希望と智慧と力が、すべて備わっている。それを引き出すのは、「強盛なる祈り」である。
 また大聖人は、北国の離島の一女性(千日尼)を、こう励ましておられる。
 「たとえば一匹の師子に、百匹の子がいる。その百匹の子どもたちが、多くの鳥や獣に襲われようとするとき、一匹の師子王が吼えれば、百匹の子は力を得て、多くの鳥や獣は皆、頭が七分に割れる。(中略)法華経という師子王を持つ女性は、一切の地獄・餓鬼・畜生などの百獣を恐れることはない」(御書1316㌻、通解)
 最極の正義の哲理をもった人生には、何も恐れるものはない。
14  さらに大聖人は、ある女性門下(さじき女房)に対して、法華経の行者への供養は、たとえそれが小さなものであれ、小さな火が広大な野原にたちまち燃え広がっていくように、無量無辺の福徳となる。それは父母、祖父母、夫をはじめ、あらゆる人々に伝わっていくと教えておられる。(御書1231㌻)
 婦人部・女子部の皆さまの、日々の祈りと行動もまた同じである。その功徳は無量無辺であり、親へ、夫へ、子どもへ、孫へ、親戚へ、隣人へ、友人へと伝わり、広がっていくことを確信していただきたい。広宣流布のために、皆さまが、生き生きと動き、語った分、仏縁は拡大し、社会に希望が脈動していく。
 口は″鉄砲″である。声は″弾丸″である。正義の言論こそ、皆の心を変え、平和と幸福を築く、最強の「武器」なのである。
 日蓮大聖人は「南無妙法蓮華経は歓喜の中の大歓喜なり」と仰せである。
 今、ダンテの祖国イタリアでも、仏法の希望の哲理が輝き、歓喜の歌声がこだましている。
 どうか、二十一世紀の広宣流布の本陣・東京婦人部の皆さまは、世界の模範となる「幸福と平和の行進」をお願いしたい。
 皆さまが、きょうも、また明日も、「大歓喜の喜曲」を、そして「大勝利の喜びの劇」を、楽しく、にぎやかに、悔いなく創造されゆくことを心から祈り、記念のスピーチとさせていただく。
 (東京。信濃文化センター)

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