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日蓮大聖人・池田大作

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第51回本部幹部会、第26回SGI総会… 「正しい哲学」こそ「幸福の土台」

2000.11.9 スピーチ(1999.10〜)(池田大作全集第91巻)

前後
12  「裏切り」は人間のなしうる最大の犯罪
 物語の舞台は、激しき戦場へと移る。息子たちは、父の期待通り、大いに活躍する。コサック軍団は、このまま連戦連勝の勢いであるかに見えた。そこに、思いがけぬ「裏切り」が起こった。こともあろうに、ブーリバの二男(アンドリイ)が敵方に走ったのだ。敵将の娘が、初恋の相手だったのである。
 コサックにとって、「裏切り」は、最も忌むべき行為とされた。ブーリバは、敵の軍服をまとった二男を銃殺する。それほど「裏切り」に対しては峻厳であった。
 息子の卑劣な行いを知ったブーリバは、声を限りに叫んだ。「戦友を不幸のどん底に捨て、犬猫をほうり捨てるように、彼らの多数を仇敵の手に捨てて顧みぬやつが、なんでコサックじゃ?」(前掲『隊長ブーリバ』)
 父ブーリバには燃え上がるがごとき自負があった。″我らの団結こそ、魂によって結ばれた神聖な団結である。いまだ、どこにもなかった団結である″――。
 「魂によって結ばれた神聖な団結」。我らも、これで進みたい。(拍手)
 ブーリバは、息子の「卑しい野良犬のように、不名誉きわまる死にかた」(同前)を嘆いてやまなかった。
 「裏切り」は、人間のなしうる最大の犯罪である。
 戸田先生は、常に青年を叱咤(しった)された。
 「いつの時代にも、裏切り者は必ず出るものだ。そんな敗北者の屍を、君たちは――本当の創価学会の同志は、堂々と乗り越えて、前へ前へ進め!」と。
13  コサックの軍団に、危機が訪れた。追いつめられた敵が、奸計を弄した。ウソの講和を申し出て、騙し、隙を突こうとしてきたのである。
 総大将と各連隊長は、まんまと目をくらまされ、その講和に応じようとした。しかし、ただ一人の連隊長――ブーリバだけは、敵の黒い心を鋭く見抜いた。これは策略だ! やつらを信じてはいけない。戦いをやめて、安易に敵と妥協すれば、無残に滅亡させられるに決まっている――と。
 この魂の叫びに、ブーリバの連隊員のみならず、他の連隊の心ある隊員も、馳せ参じた。「隊長と行動をともにします! 連隊長殿! あなたについてどこまでも行きます!」(同前)
 ブーリバには、″私は戦う! 私こそ正義なり!″との闘志が満々と脈打っていた。ゆえに、勇敢なる戦士が続いた。
 戸田先生の雄姿を思い出す。学会の同志の絆も、同じである。
14  「人生の名優」として自身の最高の歴史を
 一方、敵と妥協した者たちは、どうなったか。
 ブーリバの予言通り、敵軍に騙され、壊滅させられた。そのなかで、最後まで敵と戦い殉じていった隊長ブーリバの生きざまは、コサックの誇りとして、長く語り継がれた――こう小説は結ばれている。
 最後に『隊長ブーリバ』の一節を皆さまに贈りたい。
 「信仰より強い力はないのである。それは荒れ狂う変化きわまりない大海の巨岩のように、打ちかちがたくすさまじいのである」(同前)
 何ものも絶対に打ち壊すことができない、すさまじいもの――これが信仰である。日蓮大聖人の仏法の信仰であり、創価学会の信仰である。
 こう申し上げ、私のスピーチを結びたい。(拍手)
 来年(二〇〇一年)は、いよいよ二十一世紀の最初の年。皆、「人生の名優」として、楽しく、悠然と、自身の最高の歴史をつづりましょう! 晴れ晴れと「平和と人道の大連帯」を構築していきましょう!(拍手)
 寒くなるので、風邪を引かれませんように。
 大切な皆さま方のご健康と幸福を、私は一生懸命、祈ってまいります。
 長時間、本当にありがとう! ご苦労さま!
 (創価国際友好会館)

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