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日蓮大聖人・池田大作

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ロシア・サンクトペテルブルク大学「名誉… 今こそ夜明けを! 「光の民衆」の大攻勢で

2000.1.6 スピーチ(1999.10〜)(池田大作全集第91巻)

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9  「正義の声」の大砲を撃て!
 ところで、ベルビツカヤ総長は、言語学、音声学、音韻学、ロシア語教授法の大学者であられます。
 じつは、私の妻も、ロシア語の美しい響きに魅了されている一人であります。
 声の力は、まことに大きい。声で、わかるのです。
 きょうの総長の声の美しさは、ドナウ川のさざ波のようです。
 ナチスとの戦いにあっても、市民の生きゆく大きな糧となり、原動力となったのは、ラジオ放送から流れる「詩の朗読」や「声の励まし」であったといわれています。名高い女性詩人アフマートワも、当時、ラジオで語りました。
 「私の全生命はレニングラード(現サンクトペテルブルク)に結びついています」
 「みなさまのすべてと同じように、私はひとつの、決して揺らぐことのない確信をもって生きております。それはレニングラードが決してファシストのものにならない、ということでございます」(同前)
 権威主義の悪人どもには絶対に屈服しない! そう決意した女性の「声」が、ロシアの市民を救ったのです。
 敵の飛行機が、空から、どれほど爆弾を落とし、どれほど恫喝のビラをばらまこうが、貴国の草の根の民衆は「勇気の声」「信念の声」を朗らかに上げながら、堂々と迎え撃っていったという。だから、敗北しなかった。だから勝った。
 声です。声が大事です。最近の青年は、おしゃべりは長いが、「正しいことを言い切る」強さがない――とも言われる。堂々と正義を、「いい声で」「人の胸の中に」入れなくてはいけない。
 仏法では、「声仏事を為す」と説く。また、「ことばと云うは心の思いを響かして声を顕すを云うなり」と説いています。
 わが「生命」それ自体が、妙なる音声を、朗々と、また凛々と発しゆく尊貴な「楽器」であり、敵を打ち破る「大砲」なのであります。
 誠実にして真剣なる「声の響き」が、人間の魂を、どれだけ揺り動かしていくか。ゆえに、「いい声で」明快に語ることである。
 何を言っているのか、さっぱりわからない――そういう幹部であってはならない。
 とくに末法は、一番乱れた時代であり、経文には「闘諍言訟」と説かれている。争いや論争が絶えない時代である。ゆえに強く、恐れなく、正義を叫び、真実を訴えきっていったほうが勝つ。おとなしく黙っていては敗北であります。
 語りに語ることである。悪を打ち破ることである。人権弾圧の悪書を追放することである。
 断じて軍国主義にさせない、平和主義へもっていく戦いである。正義の声を出しきって、戦いましょう!(拍手)
10  総長の最愛のご両親は、独裁者スターリンの粛清の犠牲になられたと、うかがっております。
 祖国のために命をかけて戦ってきた大功労者や、最優秀の人々が、何の罪もなく、「うその讒言」等によって陥れられていったのであります。
 権力の嫉妬ほど恐ろしいものはない。ゆえに、民主主義のためには、権力を抑える民衆の力を強める以外にない。
 総長は、あの冷酷な迫害にも臆さず、神々しき探究の努力を重ねてこられました。そして、ご自身の尊き苦学の経験を、学生への深い慈愛に変えながら、人間教育の大いなる陽光で、次の世代の英才を包み、新世紀の逸材を育て上げておられるのであります。
 一昨日(一月四日)、お会いした、オーストラリアのオリンピック都市(オーバン市)の英邁なる女性のラム市長もまた、難民として苦労した体験をバネに、「自分と同じように苦しんでいる人を救おう!」と、民衆への気高き奉仕を貫いておられます。
 人生、何があっても、自分が「強く」なり、「賢く」なれば、絶対に負けない。強く、賢くなることが「幸福の条件」です。
 そして、一人の強く賢き女性の力は、社会を変え、歴史を動かしていけるのであります。一人の人間革命で、一切は決まります。
11  「平和と人道の世紀」へ
 貴大学の出身であられる十九世紀の民衆愛の大詩人ネクラーソフは歌いました。
  「世紀の壮大なる目的に奉仕せん
   人間という同胞を守る闘争に
   みずからの全生命を捧げゆかん
   まさに、その人のみが名を残すなり」
 私たちも、貴大学と、さらに深く連帯しながら、「戦争と抑圧の世紀」から、「平和と人道の世紀」へ、人間主義の大闘争を一段と展開しゆくことを、ここにお誓い申し上げます。
 人類史に輝く「栄光の創立三百周年」――西暦二〇二四年へ進みゆくサンクトペテルブルク大学の、いやましてのご繁栄を、私たちは心から、お祈り申し上げようではありませんか。(拍手)
 結びに、尊敬する総長、副総裁、東洋学部長、そして、すべての皆さま方が、この一年も、「健康」と「勝利」の前進であられることを祈りに祈って、私の御礼のスピーチとさせていただきます。
 全国の代表の皆さま、地元に帰られましたら、同志の皆さまに、くれぐれもよろしくお伝えください。
 断固、「戦闘開始」して、勝ちましょう!
 私も先頭をきって戦います。一人、戦います。本当の弟子はついてきていただきたい。
 スパシーバ!(ロシア語で「ありがとうございました」)
 (東京牧口記念会館)

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