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ブラジル・北パラナ大学「名誉博士号」授… 今、自分がいる場所で新しい波を

1998.11.30 スピーチ(1998.11〜)(池田大作全集第90巻)

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7  今年(一九九八年)六月、パラナ州で「ブラジル日本移民九十年祭」が盛大に開催されました。ここにおられるウエノ先生が大きく推進された式典であります。
 私も光栄にも、ご招待をいただきましたが、どうしても日本を離れることができず、長男が名代として、出席させていただきました。
 記念の式典には、カルドーゾ大統領の臨席のもと、わがブラジルSGIの青年部が、祝賀の演技で三万の観衆から大喝采を博したのであります。
 私どもは、ここで、「日伯(日本とブラジル)の偉大な懸け橋」を結んでこられた、ウエノ先生をはじめ諸先生方に、再び、心からの感謝の拍手を送ろうではありませんか。(拍手)
 とともに、貴パラナ州は、本年十二月二十五日、開拓三百五十周年の佳節を、晴れ晴れと飾られます。先人の尊き労苦の汗をしのびながら、最大に祝賀申し上げるものであります。(拍手)
8  ブラジルには「開かれた心」が
 日系人の寛大なる受け入れに象徴されるように、貴国には「人種デモクラシー」の高貴なる気風があります。貴国の心は大きい。閉ざされた″嫉妬の社会″の日本は、謙虚に、また真摯に学んでいかねばならない。
 初代会長・牧口先生も、さまざまな民族や文化が融合し、共生しゆく貴国に、大きく注目していた一人であります。牧口先生は、人間の尊厳と平等を、厳として守り抜かれました。
 青年に対しても、牧口先生は、こう教えられました。遺言であります。
 「相手が強く、地位などを利用して迫ってきた場合など、正当の理由がなければ、頭を下げてはいけない。堂々と主義主張を貫きなさい。反対に、弱い立場にある人には、協力して助けてあげなさい」と。
 この点、第二代会長戸田先生も、よく言われておりました。
 「弱い者には怒るな。それは卑怯者のすることだ。世の中には、怒らなければならないことがたくさんある。金に目のくらんだ権力者や坊主どもを見よ! 青年は、そういう大悪に対して怒るのだ。そうすれば、つまらないことに腹など立たない」と。
 諸君も将来、学会の幹部になったときに、絶対に会員にいばってはならない。大事に大事に、大切に大切にして尽くしていかねばなりません。世間でいう強い人間というのは、往々にして、弱い者をいじめるものです。
 とくに日本は、その傾向があまりにも顕著である。そうではなく、いわゆる強い人間には強く、そして弱い立場の人を優しく助けてあげる――。それが初代、二代を受け継いだ私の哲学であります。人生観です。(拍手)
 また諸君は、だれよりも「親孝行」であっていただきたい。信心しているからこそ、最高に「良き息子」「良き娘」であっていただきたい。お父さん、お母さんに心から喜んでいただける日々の行動であっていただきたい。
9  「正義」なくして「国の繁栄」なし
 この十二月十日、「世界人権宣言」の採択五十周年を迎えます。
 その意義について、宣言の起草者の一人であられたブラジル文学アカデミーの故アタイデ総裁とも、私は縷々語り合いました。
 人権といっても、それは、「一人」の人間を大切にし、眼前の悪を糺していくことから始まる。
 牧口先生の箴言に、「何ごとも、その場その場で解決しなくてはいけない。手を打たずに放置してしまえば、必ず問題は大きくなる」とあります。
 要するに、今この時、自分がいるこの場所で、常に真剣勝負で「新しい波」をつくっていくことであります。
 ブラジルの大哲人ルイ・バルボーザは有名な言葉を残している。
 「『正義』――この言葉に、地球上における、私どもの『幸福』が包まれている。
 正義こそ、文明の精髄であり、社会の真髄であり、そして政治の総括である。国家が繁栄するかいなかは、正義を大事にするかいなかにかかっている」と。
 ゆえに、私どももまた、若き「正義」と「希望」と「勇気」の力をいよいよ結集し、糾合し、「二十一世紀の夜明け」まで、一歩も退かずに、押して押して押しきってまいりましょう! そして勝ちましょう!
 どこまで耐えられるか。頑張り通せるか。仏法も人生も、全部が「勝負」であります。
 諸君の青春をかけた、偉大なる挑戦であります。負けてはならない。
 執念――すさまじき「執念の闘争」があったからこそ、「創価の世紀」の百年の土台ができ上がってきたのであります。その土台を盤石にする戦いこそ、諸君の「今」の、また「生涯」の使命であります。
 終わりに、私どもと永遠なる友情で結ばれた北パラナ大学の万代のご発展、そしてパラナ州の栄光燦たるご興隆を、心からお祈り申し上げ、私の感謝のスピーチといたします。
 ムイト・オブリガード(大変ありがとうございました)。
 (創価国際友好会館)

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