Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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全国幹部研修会 一人、ただ一人立てばよい

1997.3.28 スピーチ(1996.6〜)(池田大作全集第87巻)

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10  一九三七年のあるとき、周総理は言った。日本軍と戦っているころである。(この年、日中は全面戦争に突入。国民党と中国共産党による抗日民族統一戦線が成立した)
 「私たちは悲しみの涙など流したりしません。私たちが流すのは怒りの涙です。流す涙は同じでも、そこには大きなちがいがあります。私たちは人民のために闘いますが、センチメンタリズムなどは私たちには何の役にも立ちません。
 私たちの革命の経験は、数多くの同志たちの生命をもってあがなったものです。血で書かれた私たちの政策は二滴三滴の感傷の涙などで洗い流せるものではありません」(『周恩来語録』秋元書房)
 私たちは確固として、「この道」を行く! 「この道」には、死んでいった同志の命がこもっている。何で、同志を裏切ることができようか! 革命の勝利を信じて、先に逝った同志の信頼を、どうして裏切ることができようか! 感傷の涙など流すひまはない。怒りの涙を流しながら、断じて「この道」を行くのだ! 周総理の痛切なる叫びである。
 百年――三世代、四世代にわたる連綿たる中国革命は、同志と同志、先輩と後輩の血涙したたる「魂のリレー」によって、成し遂げられたのである。
 (秋瑾女史については、陳舜臣『中国の歴史 近・現代篇第三巻 黎明に燃ゆ』〈平凡社〉、村山孚『人物中国史5 女性編 美姫と妖婦』〈毎日新聞社〉、飯塚朗『中国四千年の女たち』〈時事通信社〉を参照した)
11  真の個人主義――「自立した人間」は他者に奉仕する
 明年(一九九八年)は周総理の生誕百周年。この佳節を記念し「中国歌舞団」の来日公演が、民音の招聘により行われることになっている。最後に周総理の言葉を、もう一つ紹介したい。
 「我々はもちろん個人主義に反対ではありません。新しい思想や価値を表現することは奨励したい。だが、利己主義、欲得ずく、『先ず私が』という方向へ進んではなりません」
 「人が他人のため己れを忘れて働き、国民に奉仕することを自らの理想に掲げるとき、それが最良の個人主義だと思います」(ハン・スーイン『長兄―周恩来の生涯』川口洋・美樹子訳、新潮社)
 個人主義と利己主義は、まったく違う。「民衆に奉仕する」という断固たる「信念」にこそ、本当の個人主義があり、自立した人間の生き方がある。
 牧口先生も、言われている。
 「自分だけが幸せであれば、他はどうでもよいという利己主義の幸福ではいけない。その中心に自分がいるにせよ、我々の生活は社会と共存でなくては、しばらくでも真の安定を得られないということを意識して、そのうえに求める幸福でなければならない」と。
 この牧口先生、そしてまた戸田先生の精神のままに、私どもは私どもの強き信念で、社会と世界に奉仕してまいりたい。そのために、二百年先を目指して、「日本の柱」であり、「人類の希望」である創価学会を守り、強め、栄えさせてまいりたい。

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