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日蓮大聖人・池田大作

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全国代表研修会(第3回) 「心」をつかめ! 「知恵」を出せ!

1997.2.1 スピーチ(1996.6〜)(池田大作全集第87巻)

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4  私は戦う、″時をかせぐために″
 最後に、釈尊の時代の伝承を紹介したい。「自分を犠牲にして、時をかせいだ男」の話である。
 釈尊の晩年、ネパールにあったとされる釈迦族の国は、大国の舎衛国に攻撃され、鎮圧された。釈尊の″九つの大難″の一つである。
 この時、釈迦族の一人のリーダーが、攻めてきた悪王(波瑠璃王)に言った。
 「王よ、ただ一つ、願いを聞いてもらいたい。自分は、これから池に飛び込む。私が、もぐっている間だけ、城の門を開いて、皆が出ていくのを許してほしい」
 王は″池にもぐっている間といえば、ほんの数分だ。それくらい許してやろう″と思った。
 頼んだ男が、王自身の親族だったからでもあろう。
 ところが、その男は、池にもぐってから、なかなか浮かんでこない。その間に、民衆は、どんどん自由の身になっていった。「おかしい」と思った王は、部下に命じて池を調べさせた。すると、男は自分の頭の″まげ″を解き、池の中の木の根っこに髪を縛りつけて死んでいたのである。浮かんでこないわけである。男は、こうやって、自分を犠牲にして「時をかせいだ」。その間に自由になった釈迦族の人々は、再び別の場所で国をつくったという説もある。
5  状況は違うが、先輩が後輩を思う気持ち、親が子を思う気持ちは、これと同じであろう。永遠に変わらない。
 「自分は、ぎりぎりまで頑張る。いな、自分を殺し、自分が犠牲になって、時をかせぐ。だから、その間に立派に育ってくれ。前進してくれ。そして必ず、自分の志を継いでくれ!」と。
 私も、青年部に対して、同じ気持ちであると申し上げ、本日のスピーチとしたい。

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