Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

第7回本部幹部会 勝ち取れ黄金の毎日を、旭日の人生を

1997.1.7 スピーチ(1996.6〜)(池田大作全集第87巻)

前後
18  タゴールは、当時、「弱い国」と見られていた中国が、やがて巨大な力を発揮することも予言していた。
 私も、三十年以上前、日本が華やかな繁栄の上り坂にあったころから、やがて中国が大いなる発展を遂げるであろうと予見し、主張してきた。
 タゴールは言う。
 「中国は、自分自身というものをしっかり保持しています。どんな一時的な敗北も、中国の完全に目覚めた精神を決して押しつぶすことはできません」(日本の野口米次郎への手紙。我妻和男『人類の知的遺産61――タゴール』講談社)
 それに比べて、当時の日本の見かけの繁栄は、借りものの文明のおかげであり、「魂を滅ぼした」代償としての繁栄にすぎなかった。それでは絶対に長続きしない――こう彼は言いたかったのではなかろうか。そして彼は叫んだ。
 ――国家悪を見抜きなさい! 国家の悪魔性の奴隷になってはいけない! 国家には人格はありません。むしろ日本は、全世界に通じる普遍的な人間性を興隆しなさい!――と。(「ナショナリズム」「日本の精神」、前掲著作集8を参照)
 魂なき国は、必ず滅びる。タゴールの警鐘は今こそ、謙虚に耳を傾けるべきであろう。タゴールを石もて追った八十年前の過ちを、日本は今、再び繰り返そうとしているように思えてならない。
19  「魂の文明」の主役は女性
 タゴールは、女性に大変に期待していた。
 「歴史の現段階においては、文明はほとんど男性のものであり、力の文明である」「人間は膨大な機械的組織に適合しようとして、自己の自由と人間性を失ってしまった。次の時代の文明は(中略)互恵という精神的理想の上に打ち立てられることをわれわれは望んでいる。それを実現するときには、女性は自らの真の位置を見出すだろう」
 「女性が自己の責任を自覚するなら、彼女の新鮮な心と思いやりの力を、精神的な文明の建設というこの新しい仕事に持ち込んでくることができる」(「女性について」山口三夫訳、第三文明社『タゴール著作集』9所収)
 ――現在の動物的な「力の文明」をつくったのは男性である。そこでは、人間が手段にされ、「機械」となる。これからは「魂の文明」を打ち立てねばならない。それを育てるのは、女性が主役である。私は女性に期待する!――と。
 私も、まったく賛成である。何かというと、「力」を誇示し、いばりたがる男性は、大いに反省する必要があろう。
 世界の各分野で、また、広布の世界においても、女性の活躍は本当に目覚ましい。さらに、もっともっと女性が活躍できる時代へと、変えていかなくてはならない。また、実際にそう変わりつつある。私は、とくに最近、その思いを深くしている。
 いよいよ「女性の時代」である。
20  今年も、私は、広宣流布の指揮を三百六十五日、毎日、執り抜いてまいります。断じて戦います。
 皆さま方もどうか、健康第一で、朗らかに、何ものをも乗り越えて、一日一日、福運を積んでいっていただきたい。
 私も、皆さまの健康・長寿・幸福・裕福を祈り続けて、一年を送りたいと思っている。
 本年も、どうかよろしく。本日、お会いできなかった方にもくれぐれも、よろしくお伝えいただきたい。長時間、ありがとう!

1
18