Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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海外・日本合同研修会 学会は世界の″希望の潮″

1995.8.4 スピーチ(1995.5〜)(池田大作全集第86巻)

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4  わが創価学会は、二十一世紀、すなわち「生命の世紀」へ滔々と流れゆく「希望の潮」である。
 目覚めたる民衆の潮流を、だれが押しとどめることができよう。わが学会員が歓喜に漲っている限り、何も恐れるものはない。
 新世紀の喝采は私どものものである。
 ますます勇気凛々と、生命力を増しながら信念のスクラムを広げてまいりたい。
 なおタゴールが生涯の幕を閉じたのは一九四一年(昭和十六年)八月七日。命日の翌日にあたる今年八月八日には、光栄にも、インドの世界詩歌協会から初の「世界桂冠詩人」賞が私に贈られる。タゴールの人類愛の戦いをしのびつつ、謹んでお受けしたい。
5  リーダーは「自己教育」に挑戦
 先日、ガルトゥング博士(ノルウェー出身の世界最高峰の平和学者)との対談集『平和への選択』(毎日新聞社刊)が発刊された。平和、教育、宗教、人権等をめぐり、「不戦の世界秩序」を目指して語り合ったものである。
 その中で博士は、教育について非常に示唆的な話を語っておられる。
 すなわち、教育には何よりもまず「自己教育」が重要であるというのである。
 「自己教育」とは、自分自身を見つめ、自分自身を教え、自分自身を育てることである。それがあって初めて、友人・同僚との意見交換・体験交流といった「共同教育」が生きてくる。また、実りある「他者教育」が可能になる。
 人ではない。自分である。自分が成長すれば、周囲も変わる。
 自分を見つめず、自分を教育せずして、何を論じ、何を行っても、無責任であるし、大きな価値は生めないであろう。
 社会も、組織も、指導者が、ずる賢く「人を動かす」ことだけ考えて、「自分が成長する」努力をしない時、行き詰まる。発展も平和もなくなる。
 いわんや、自分が成長していない責任を忘れて、失敗を人のせいにするとしたら、指導者として最低であろう。
6  日蓮大聖人は仰せである。
 「若し心外に道を求めて万行万善を修せんはたとえば貧窮の人日夜に隣の財を計へたれども半銭の得分もなきが如し」──もしも自分の心の外に成仏の道を求めて、あらゆる修行、あらゆる善行を修めたとしたら、それは例えば貧しい人が日夜、隣家の財産を計算しても半銭の得もないようなものである──。
 仏道修行は最高の「自己教育」なのである。
 ルソー(フランスの思想家)は、教育論『エミール』で書いている。
 「一人の人間の形成をあえて企てる前に、その人がみずから人間としてでき上っていなければならない」(平岡昇訳『世界の大思想』17,河出書房新社)
 「人を育てる」なら、まず「自分を育てよ」と。
 また、こうも語る。
 何事につけても、あなた方の教訓は言葉でよりも、行為で与えられなければならない──と。
 「行動」に人はついてくる。「姿」に人は学ぶ。「境涯」と「振る舞い」が人を感動させ、感動が人を変えるのである。
7  私どもの舞台は、いよいよ広がっている。いよいよ責任も増している。期待も増している。
 この大切な使命を、立派に果たせる自分を目指して、いよいよ「自己教育」に励んでまいりたい。すでに皆さまは、その挑戦を始めておられることと思う。
 自分が成長した分だけ、人生は楽しい。願わくは、最高に楽しい人生を!
 暑い日が続いているので、くれぐれもお体に気をつけていただきたい。きょうは、ご苦労さま!

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