Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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「7・17」記念の協議会 真の富は「内心の幸福」

1995.7.15 スピーチ(1995.5〜)(池田大作全集第86巻)

前後
8  「苦労しらずで気が弱い」三浦一族の当主・泰村を、北条時頼は巧みな心理作戦で揺さぶった。デマを流して、泰村を疑心暗鬼に陥らせた。
 また時頼は三浦氏の一族の中に味方を作り、結束を崩した。分断作戦である。「敵の中に味方を作る」のは北条氏のお家芸であった。
 緊張が高まるなか北条側から和平交渉をもちかけ、三浦氏がほっと安心したその時、北条陣営の安達軍が奇襲をかけた。北条軍が続いた。三浦邸は焼かれ、一族郎党、五百余人が自刃。各地の残党も、親族も討ち取られた。三浦一族の滅亡の悲劇であった。(奥富敬之著『相模三浦一族』新人物往来社刊などを参照)
 しかも鎌倉幕府の歴史書「吾妻鏡あずまかがみ」では、これはひとえに三浦氏に「逆心」(反逆の心)があったからだと決めつけている。
9  権力は無常、仏法は永遠
 敗れれば悲惨である。だまされてはならない。真実を見抜かなければ、権力の魔性に利用されてしまう。
 日蓮大聖人は、三浦一族滅亡の「宝治の合戦」の時、満年齢で二十五歳。関西で修学中であられたが、事件のニュースは伝えられたであろう。
 三浦一族の滅亡によって、北条氏に対抗できる勢力はなくなった。将軍家も形式だけのものになった。北条一族は独裁的な権力を手に入れた。
 日蓮大聖人が立ち向かわれたのは、こうした権力の魔性だったのである。
 やがて北条一族も滅びた。鎌倉幕府も滅びた。権力の世界は、強いようで「無常」である。反対に、日蓮大聖人は、幕府から、あれほどの迫害を受けられたが、今、大聖人の仏法は、世界に燦然と陽光を放っている。
 私どもは、この「永遠性」の次元に奥底の一念を置いて、日々、修行しているのである。ゆえに、私どもの人生の価値もまた永遠である。
10  創価学会は、最高の「善意」の団体である。ただ社会のために、未来のために、不幸な人々のために無償の行動を重ねている。その善意を、あえて曲解する「悪意」の濁世かもしれない。
 しかし私どもは、それでも人々の「善意」を信じたい。そして、よりよき社会を願う「善意」と「善意」を結び合わせて、時代を変えてまいりたい。
 人と人とを、つなげ、善意で善意を触発していく。「善の波」を広げていく。これが私どもの運動であると申し上げ、記念のスピーチとしたい。

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