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日蓮大聖人・池田大作

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各部代表幹部会 二十一世紀へ「人格の輝き」を!

1995.4.11 スピーチ(1994.8〜)(池田大作全集第85巻)

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13  「ナチスと戦う力」を育てた民衆教育
 デンマークの民衆教育の土壌がいかに素晴らしいものであったか──それを証明する事実にも触れておきたい。具体的な「事実」をあげて話をすれば、皆が納得できる。そのように話すのが指導者の責任だからである。
 デンマークの人々は、第二次世界大戦中、狂気のごとく襲いかかったナチスのホロコースト(大量虐殺)から、多くのユダヤ人の生命を守った。この歴史は有名である。
 (デンマークは一九四〇年四月九日、ナチスの侵攻を受け、四五年まで占領下に置かれた)
 デンマーク人は、教師も、医者も、漁師も、タクシーの運転手も、皆がそれぞれの立場で、ナチスに追われるユダヤの人々を懸命にかくまい、助けた。その数はじつに七千二百人に及ぶという。
 こうした寛容にして崇高な人間性を育んだ源流に、牧口先生がいち早く注目されていた「デンマークの民衆教育」があった。
 これが「人間教育」「民衆教育」の力である。特別なエリート教育が社会を良くするのではない。エリート教育だけでは、一方で民衆を不幸に陥れることになりかねない。
 デンマークの二人の先人による「精神の啓発」は、一世紀を経て、見事な光彩を放ったのである。
14  「人間」をつくり、「人間」を育てること。それはまさしく「歴史」をつくり、「歴史」を育てることである。地味ではあるが、これほど確かな大偉業はない。
 牧口先生は『創価教育学体系』の中で、「人格」の重要性をとくに強調された。
 どんな時代の乱れにあっても、権力者の圧迫を受けようとも、低次元の連中から嫉妬され、陥れられようとも、真実の「人格」の人は、必ず最後には民衆の尊敬を勝ち取ることができる。
 深い哲学をもった「人格」を築きゆくところにこそ、「勝利の人生」がある。
 これが牧口先生の主張であり、創価教育学の核心である。
 『創価教育学体系』の発刊から六十五年。今、学会員一人一人がそれぞれの地域にあって、″人間性の柱″″希望と安心の灯台″になられている。
 何があろうと、学会は盤石である。厳然と行進している。牧口先生、戸田先生がどれほど喜んでおられるか。
 いよいよ、二十一世紀の大舞台へ、「人間の輝き」を放ちながら、私どもは仲良く、愉快に、堂々と前進してまいりたい。(拍手)
 最後に、皆さまに、心から「ご苦労さま」、心から「ありがとう」と申し上げ、私のスピーチを終わりたい。お元気で!
 (東京牧口記念会館)

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