Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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欧州代表者会議 「正義の弓を射よ、直ちに」

1994.6.5 スピーチ(1993.12〜)(池田大作全集第84巻)

前後
9  樋口名誉教授は、学会の平和運動についても、述べられている。
 「葬式仏教として死んでいた仏教本来の思想が、創価学会の運動によって現代に蘇生し、人間の尊厳観や平等といったものが生活の中に蘇ってきた。
 それが、国家の主権を超えるといった『脱国家的』な理念を生み出し、人間としての一つのつながりをつくり出す基盤となっていると思います」
 「学会が進める、『同苦』に基づく慈悲の実践で人間の連帯を目指し、世界にネットワークを広げる運動の意義は大きい。
 最大の在家仏教団体である創価学会の取り組みに、大いに期待するものである」
 ″死んでいた仏教″を創価学会が″蘇らせた″。その結果、世界に「人間としての連帯」が広がりつつある、と。
 今、世界にとって「人間としての連帯」ほど重要なものはない。これ一つとっても、私どもの運動には大変な使命がある。
10  未来の世界宗教は人間主義の宗教
 また、ヤン・ヴァン・ブラフト南山大学教授は、「世界宗教の条件と課題」と題する講演で、論じられた。(一九九四年三月二十二日、東洋哲学研究所主催の学術大会での特別講演)
 「SGI(創価学会インタナショナル)は仏教にルーツをもちながらも、より普遍的な世界宗教を目指していくものとなるのではないでしょうか」
 「では、未来の世界宗教の在るべき姿とはどんなものでしょうか。私が考える第一の姿とは、在家の宗教であるということです。
 教育の普及によって現在、だれもが宗教的専門家に頼ることなく、自身の信仰をたもつことが可能になりました。
 信ずるものと自身との間に介在者を有する必要がなくなりつつあるのです」
 その通りである。時代は変わっている。″時″を知らねばならない。
 教授は、世界宗教の条件として、「人間社会に奉仕する宗教」「男女平等」「民衆の現世利益的な期待に対応できる宗教」「社会的力を有する宗教であり、世界平和に貢献できる一大勢力になりうるもの」「人間主義に貫かれた宗教」等をあげられている。
 そして「SGIがこうした世界宗教としての条件と課題に応え、また解答を導き出しながら、今後更なる発展を続けられることを期待しております」と結んでおられた。
 在家=生活者の宗教こそが、未来の世界宗教であるというのである。
 日蓮大聖人の仏法が、SGIによって、ここイタリアをはじめヨーロッパの各国で、そして世界で、民衆の心を、しっかりとつかんでいることは厳然たる事実である。
 それも、あくまで、上すべりでなく、そこに住む人々の生活に根ざし、社会に根ざしてきたからである。これからも永遠にそれは変わらない。
11  いよいよヨーロッパSGIが、これまでの基盤の上に、燦爛と輝くときがきた。
 ダンテは書いた。
 「一歩も後退してはならない」
 「上へ上へとこの山を登るのだ」(前掲『神曲』浄罪篇第四歌)
 時代は「人間主義」を切実に求めている。人々のため、社会のために、二十一世紀の勝利の山頂へ、ともに歩みきっていただきたい。
 (イタリア・ミラノ市内)

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