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日蓮大聖人・池田大作

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各部代表幹部会 広布の山に向かって共に歩もう

1993.6.28 スピーチ(1993.6〜)(池田大作全集第83巻)

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18  さて、我が同志・バッジオ選手は、先月、行われたヨーロッパの大会(欧州サッカー連盟カップ)で、イタリアの名門チーム(ユベントスFC)のキャプテンとして大活躍した。仲間の相次ぐケガ、マスコミの悪意の報道などを、すべてはね返して、堂々と優勝を勝ち取ったのである。
 今回の来日も、この勝利を私に報告したいとの思いからであったという。しかも直接、私に言わないで、あとから、私は、人づてに、そう聞いた。自慢のようになるから、と思ったのであろうか。その心が美しい。
 決勝戦の相手は、強豪ドイツであった。バッジオ選手率いるイタリア・チームは、最初から一気に猛然たる勢いで攻撃していった。そして、試合開始から、わずか四分で先制のゴールを決めた。
 勝負は最初の勢いで決まる。″初めからエネルギーを出せば息切れする。だから少しずつ力を出そう″などと考えていては勝負にならない。相手が強豪であればあるほど、最初から全力で挑んでいく──そこに勝利への突破口も開ける。そうなれば、心の余裕も生まれる。
 先取点に熱狂する大観衆。だがバッジオ選手は、浮かれた様子を見せない。キャプテンが少しでも浮つけば、チーム全体に感染する。
 彼は試合前から、″これでもう勝ったと油断してしまえば、そこからゲームが狂ってしまう″と、自分に言い聞かせていたのである。
 彼を中心にイタリア・チームは、怒濤のごとく、最後の最後まで、攻めて攻めて、攻め勝った。最初の勢いを最後まで持続したのである。
19  彼は、自分の勝負哲学をこう語っている。
 「まったく同じ力をもったチームが試合をした場合、勝負の決め手になるものは何か。それは、勝負どころで、″絶対に勝つんだ″という一念でチームが結束できるかどうか。その勝負への執念が試合を決める」と。
 もうダメだと心を乱せば負ける。絶対に勝つと決めたほうが勝利を手中にする。この試合、結果は三対〇で、バッジオ選手は、ついに念願の優勝を果たすことができた。
 ともあれ私たちも、「大闘争」の七月を、喜び勇んで戦い、勝利してまいりたい。
 そして、ともどもに晴れ晴れと集い合いましょう!

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