Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

SGIアジア記念総会 一番大切な時は「今」、人は「縁している人」

1993.5.16 スピーチ(1993.1〜)(池田大作全集第82巻)

前後
8  大聖人は、「願いのかなう信心」について、わかりやすく教えられている。
 「水すめば月うつる風ふけば木ゆるぐごとく・みなの御心は水のごとし信のよはきはにごるがごとし、信心の・いさぎよきはめるがごとし、木は道理のごとし・風のゆるがすは経文をよむがごとしと・をぼしめせ」──水が澄めば月が映り、風が吹けば木が揺れるように、皆の心は水のようなものである。信心が弱いのは、水が濁っているようなものである。信心がすがすがしいのは、水が澄んでいるようなものである。木は道理のようなものである。風が(その木を)揺り動かすのは、経文を読むようなものである(経を読む″風″によって道理の″木″が動いていく)と思っていかれることです──と。
 水が澄めば映ると仰せの「月」とは、仏界の智慧と力とも拝されようか。
 日寛上人は「我等この本尊を信受し、南無妙法蓮華経と唱え奉れば、わが身即ち一念三千の本尊、蓮祖聖人(日蓮大聖人)なり」(「観心本尊抄文段」)と明かされている。
 わが胸中の「本尊」を輝かせ、わが身の中の「大聖人」の境界を顕すための、御本尊であり、信心なのである。また、「経文を読む」と表現されている仏法の実践とは、勤行・唱題であり、広くいえば、自行化他にわたる広布の「行動」も含まれると拝される。
 真剣な祈りと行動の「風」を起こした時、「道理」の木を揺るがして、すべてを勝利の方向へ、幸福の方向へ、願い通りの方向へと転換していける。不可能に思えることをも可能にできるのである。「風」を起こすことである。「木」を揺るがすことである。
9  労苦のリーダーの周囲は幸福
 先ほどは、マカオ大学の李学長から、光栄にも「日本研究センター」名誉所長の称号を賜った。
 マカオ大学は、東西文明融合の天地・マカオにあって、ボーダーレス(国境のない)の時代を照らしゆく英知の灯台である。皆さまの代表として、謹んで、この称号を受けさせていただいた。
 マカオと日本の友好は、中国またポルトガルとの友好へ広がりをもっている。私は、これを機に、いよいよ貢献していく決心である。
 マカオ大学の皆さまへの感謝の意味も込めて、大航海時代、マカオを訪れたポルトガルの大詩人・カモンイスの詩の一節を、皆さまにご紹介したい。
 それは、「長き苦悩とのわが闘いの歴史を聞きたまえ! そして汝の苦しみをわが苦しみで癒すがよい。自身の大いなる苦しみこそが他者の苦しみをせるのだ」と。
 ″私も幾多の苦しみを乗り越えてきたんだよ。君も必ず乗り越えられるから″という励ましのメッセージである。
 リーダーが苦労知らずになってしまえば、弱い人、悩んでいる人の本当の味方にはなれない。
 煩悩即菩提の仏法である。リーダーが、人の何倍も苦労して境涯を開いていくことが、友や後輩に、希望と勇気を贈っていく。
10  恩師・戸田先生は「東洋の民衆が皆われらと共に手をつないで幸福になってほしい」と、繰り返し呼びかけられた。
 私たちは、さらに仲良く、朗らかに、友情を広げながら、アジアの素晴らしき平和と繁栄と連帯の道を開いてまいりたい。
 皆さま方が、ますますお元気で、裕福で、そしてご長寿であられますよう、心からお祈り申し上げ、私のスピーチとさせていただく。
 どうか、ご家族の皆さま、またお会いできなかった同志の皆さまに、くれぐれもよろしくお伝えください。
 次にお会いできる日を楽しみにしています。

1
8