Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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アメリカ代表者会議 夢を実現するのは自分

1993.3.9 スピーチ(1993.1〜)(池田大作全集第82巻)

前後
10  釈尊の時代、ある女性が、かわいい子供を病気で亡くした。悲しみのあまり、正気を失い、死んだ子供を抱いたまま町をうろついていた。会う人ごとに、「この子に薬をください」と言った。
 ある人が、哀れんで彼女を釈尊のもとに連れてきた。釈尊は言った。
 「よしよし、良い薬をあげよう。町へ行って白いケシをもらってきなさい。ただし、『死人を出したことのない家』の白ケシでなければいけないよ」
 彼女は、町じゅうを一軒一軒、歩いて探した。けれども「死人を出したことのない家」は一軒もなかった。ついに、彼女は自然に理解した。「人間は必ず死ぬ」のだと。自分の悲しみだけが特別なのではない──。そして「永遠の生命」を悟るために、釈尊の門下となり、聖者と仰がれるまでになった。
 釈尊は、自分だけの悲しみにとらわれていた彼女の心を、こういう方便を使って、ほぐし、解放し、三世の生命観に立った、より大いなる知恵に目覚めさせたのである。
11  ともあれ″境涯を開く″ことである。人間、いつも自分のことだけを考えていると、次第に「小さな心」「小さな自我」に固まってしまう。
 法のため、人のため、社会のためという、開かれた大きな目的に向かって働けば、「一心の妙用」によって、「大きな心」「大きな自我」が築かれていく。「大きな心」は即「大きな幸福」を味わえる心である。
 「小さな心」には重圧であった悩みも、軽く感じ、悠々と見おろしていけるようにもなる。皆さまは、この「一心の妙用」を見事に、晴れやかに証明する人生であっていただきたい。
12  最後に、マイアミ研修センターの真心の″世界地図″が迎えてくださったように、私の平和旅もチリで五十カ国の歴史を刻んだ。この五十カ国の第一歩は、いうまでもなく、このアメリカである。アメリカが原点である。この原点の地より、えにし深き皆さまとともに、新しい歴史の扉を開いてまいりたい。
 アメリカ合衆国の偉大なる再生を念願し、わが創価学会の壮大なる大発展と、大切な使命をおもちのわが全同志のご健闘を祈って、記念のスピーチとさせていただく。

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