Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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アメリカSGI文化本部代表との質問会 「幸福の博士」「人生の大統領」に

1992.8.7 スピーチ(1992.6〜)(池田大作全集第81巻)

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5  地域広布の展望をもちたい
 <日本に来ると、学会の発展ぶりに驚きます。アメリカSGI(創価学会インターナショナル)の十年後、二十年後へのビジョン(展望)、将来像は、どう描いていくべきでしょうか>
 もう土台はできています。心配しないでください。あまり難しく考えないで、アメリカはアメリカらしく、楽しく進むことです。
 大聖人は「末法万年」と仰せです。広宣流布の将来は長い。
 ロシアのあるメンバーも、語っていました。──劇的な政変のなかで、逃げまどうようなこともたびたびだった。さまざまな困難があった。それでも互いに励まし合い、やっと支部結成へというところまで、たどりついた。当時は、今のような自由の時代になるとは想像もつかなかった、と。
 真剣に祈りながら、「目下の課題」をやりきっていけば、必ず「時」は来ます。
 また現代においては、私が世界広宣流布の指揮を執っている。指揮者は真剣です。楽団員も真剣で、ぴったり息が合えば、そこに感動の名演奏が生まれてくる。僣越せんえつですが、私は広宣流布の指導者なのです。まかせてください。
 苗木を植えているときに、将来の大森林になる過程を、皆が完全に展望することは難しい。晴れの日もあれば、雨の日もある。雪の日も、嵐の日もある。それらを越えて、ふと見渡した時に、「はぁー、こんなに出来上がったのか! よく頑張ったなぁ」と思う。そこに、何ともいえない楽しみがある。違いますか?
 現実は複雑であり、刻々と変化する。ゆえに、広布の展望に″こうあらねばならない″というのは、ないのです。ましてアメリカは″多様性″の国です。一律に将来を規定してしまっては味気ない。
 アメリカはアメリカらしく──そういう気持ちで″種″を植えていきましょう!耕しましょう!
 「土台」ができるまでは大変です。アメリカには、もう土台がある。その上で、より大きな発展のためには、より大きな土台をつくる必要がある。
 大いなる土台づくり──今、アメリカは、その時だと思う。必ず発展します。また世界広布の中心になっていくでしょう。SGI本部も開設されます。私は最大の″楽観″をもって、皆さんを見守っています。
6  「人間のネットワーク」へ何ができるか
 <SGI会長が世界の識者と対談され、友情を広げておられるのは、本当に素晴らしいことだと思います。私も、会長が広げておられる「人間のネットワーク」に貢献したいと思いますが、どうすれば、お手伝いができるでしょうか>
 その「心」が、ありがたいし、尊いのです。広宣流布を思う純粋な心──。本当に尊貴です。その一念で「広布」と「使命の実現」を祈ってください。
 「祈り」は、いわば″生命のエネルギー″として、全宇宙に伝わり、さまざまな「変化」の原動力となっていくのです。放射能も紫外線も、目には見えないが、厳として存在する。影響を及ぼす。妙法の祈りの″エネルギー″も、目には見えないが、その力は無限です。
 多くの同志が祈ってくださっている。だからこそ私も、その一念の″エネルギー″に包まれて、世界の舞台で行動していける。それが実感です。心から、そう思っています。
 また、人には、それぞれ立場があり、役目があります。あなたには、あなたにしかできない使命がある。私も、私の立場で戦う以外にない。その意味では、妙法の同志一人一人が、かけがえのない″太陽″なのです。
 だれかと同じようにではなく、皆さんは皆さんの、私は私の立場で、「わが使命」を、まっとうすることが、全体として広宣流布という一つの目的に、つながっていくのです。
 だから存分に、輝いてください! 大いなる″太陽″になってください!
7  「創造性を育む家庭教育」とは
 <アメリカのほとんどの親にとって、最も大きな心配の種は「子ども」ではないでしょうか。創価学園・大学で行われている″創造性をはぐくむ教育″にふれて感動したのですが、こういう教育を、家庭で実践するには、どうすればよいでしょうか>
 教育──これは人間の根本的な課題の一つです。アメリカだけでなく、日本も悩んでいる。各国の、世界の問題です。
 結論から申し上げれば、「こうすればよい」という″特効薬″のような処方箋は、ないでしょう。
 所詮、大人の生き方の中に、すべてがある。また、いくら観念的に悩んでいても向上の道は創出されない。何らかの良き方法を実行し、努力していく以外にないのです。
 自分で、この「方法」が良いと学んだこと、自分で研究して良いと思ったこと、それら一つ一つを、深く祈りながら、行動に移し、粘り強く努力していくしかないのではないでしょうか。
 教育においては、制度とか方法以上に、学生・生徒に「納得」と「信頼」を与えゆく絶大なる努力、すべてに心を配りゆく真剣さ、そうした教師としての決然たる姿勢が、第一義の課題となるでしょう。
 「教師のための学校」ではなくして、「学生・生徒のための学校」であるということを忘れてはならない。
 幸い、創価大学・学園は、学生アンケートなどでも、理想的なキャンパスと評価が高い。
 これからも、どこまでも「人間主義」「学生・生徒中心」の精神を具体化していってほしいと思っています。
 また、生徒一人一人が″原点″に対して「尊敬する心」をもっている。その心が、教員への尊敬、生徒同士の友情、また父母への信頼へと、広がっている。そして、その尊敬し信頼する人に対して″自分は、どう応えていくか″を、つねに考えている。そこから″皆を幸せにするための学問なのだ″″皆のために、今こそ英知を磨くのだ″という自覚が生まれ、努力の姿勢が身についてきている。
 この″何のため″を考えさせているところに、一つのポイントがあるのではないでしょうか。
 ですから、各家庭でも、わが家の原点、原則、目標を大切にしながら、粘り強く、少しずつでも、前へ進むことです。途中で″あきらめない″ことです。そこから″我が家″に合った″創造的な教育″の道が開かれていくと思います。

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