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日蓮大聖人・池田大作

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第五回東京総会、全国代表者幹部会 ″地球仏法″のネットワークは人類の希望

1992.5.12 スピーチ(1992.1〜)(池田大作全集第80巻)

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23  求道と誠の人ペッチェイ博士
 ペッチェイ博士もまた、こうした″指導者の資質″を備えておられた。高潔な人格であられた。二十歳近くも年下の私に対し、温かい「友情」で接してくださった。幾度もの忘れ得ぬ出会いがあった。多くを学ばせていただいた──。
 博士との最後の語らいは、一九八三年(昭和五十八年)六月、博士が亡くなる九カ月前であった。旅先のアメリカから、わざわざ私の滞在するパリまで駆け付けてくださった。
 じつはこの時、博士は、空港で、荷物をすべて盗まれていることに気づかれた。にもかかわらず、盗難の届けを出すよりも、私との約束の時間に間に合うことが大事と、着のみ着のままで私の宿舎へ直行されたという。私は感動した。
 また、イタリアのフィレンツェでお会いした際(一九八一年六月)には、自宅のあるローマから遠路、ご自身で車を駆ってこられた。女子部の皆さんが地域の活動に走っておられるような、小さな車であった。
 パリでの最初の出会いの日(一九七五年五月十六日)は、奥さまの誕生日であった。しかし博士は会見の日程を私に合わせて、その日にしてくださった。
 これらの真心を、私は生涯忘れない。博士が亡くなられた後、ご子息にもお会いし、心からお礼申し上げた。(一九八九年五月、子息のR・ペッチェイ博士とイギリスのタプロー・コートで語らい、五度にわたる故ペッチェイ博士との会談の思い出を紹介している)
 博士は七十五歳で逝去されるまで、人類のため、未来のために、たゆむことなく戦い続けておられた。亡くなる十二時間前にも、今日の人類的課題を警告し、「政治の改善の必要性」「倫理観の重要性」などを含めた論文の口述を続けられている。(この口述は後日、『ローマクラブ:今世紀の終わりへ向けての備忘録』としてまとめられた)
 後世のために、「真実」を叫び、残したい。「真実の人」と語り合い、学びたい──こうした烈々たる求道の心、深き人格の方であった。私も今、多くの対談をはじめ、「後世のために」との同じ心境で戦っている。
24  信仰は自身の開花、莫大な富がわが胸中に
 ペッチェイ博士は、私との対談集の中で、「莫大な富がわれわれ自身の内部にある」と述べられ、それを引き出していくための「人間革命」「人間精神のルネサンス」を強く訴えられた。
 私どもの「創価ルネサンス」は、仏法を根本に、人間の限りなき″内面の宝″を引き出し、輝かせていく運動である。この運動を「世界の知性」が称賛し、見守っている。そして「世界の民衆」が待っている。
 「本当の宮殿は、我が胸中にある」──これが仏法の真髄である。どうか一人一人が、信心、生命という″黄金の器″をさらに輝かせ、さらに不動のものとしながら、自分自身の「ルネサンスの大道」を晴れやかに、また朗らかに歩んでいただきたい。
 そして、「ともどもに『大勝利の歴史』を築きましょう!」と念願し、本日のスピーチとしたい。きょうは本当におめでとう。ありがとう!

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