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日蓮大聖人・池田大作

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室蘭大勝利幹部会 学会員は栄光の広布の建設者

1991.8.21 スピーチ(1991.7〜)(池田大作全集第78巻)

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14  高貴な「蘭室の友」の世界を守りぬけ
 「室蘭」――まことに詩情豊かな地名である。この名は「モルラン」(小さな坂)というアイヌ語に由来するともいわれる。先ほど通った、文化会館にいたる道もちょうど坂道で、室蘭の地にふさわしい法城であると実感した。
 最近では、この美しい名前そのままに、室蘭で、花の女王・蘭の栽培が盛んになっているとうかがった。私も、海外の友人を歓迎するさい、「高貴な人を迎える」との意味をこめて、蘭の花を飾ることが多い。
 「立正安国論」には「蘭室の友」とある。「蘭室」とは、香り高き蘭の花咲く室という意味である。その室にいれば、蘭の香りが体に染みてくるのと同じように、高貴な人とともにいると、いつのまにか、その人のもつ徳の感化を受けるということを譬えている。
 きょうも、この文化会館には多くの真心の蘭が、友を迎えている。本当にすがすがしい。皆さまは、高貴なる蘭の香りにつつまれた、高貴なる方々の集いである。その、うるわしく大切な世界を、″断じて汚されてなるものか″という一念のスクラムで、誇らかに、毅然と進んでいただきたい。(拍手)
 また、どうか、本国お会いできなかった同志の皆さまにも、くれぐれもよろしくお伝えいただきたい。(拍手)
 「鉄の団結」でいきましょう! 室蘭は、もともと「鉄の町」なのだから。(爆笑、拍手)
 そして「正法のために、いちばん苦労した人が、いちばん幸せになる」という証明を見事に果たしていただきたい。
 楽しく、痛快に、全国模範の戦いを繰り広げ、″ああ、なんと、あの人たちがうらやましいことか。本当に輝いている″と憧れられ、仰がれるような、絢爛たる繁栄の「室蘭城」を建設していただきたい。(拍手)
15  ″差別なく仏に″が仏法の目的
 さて、ここ室蘭圏、西室蘭圏の皆さまは、題目をあげにあげぬき、その渦の中で、きょうの晴れの集いを迎えられた。
 「新池御書」には、次のように仰せである。
 「此の経の信心と申すは少しも私なく経文の如くに人の言を用ひず法華一部に背く事無ければ仏に成り候ぞ
 ――この経の信心というのは、少しも勝手な私見なく、経文のとおりに、人の言を用いず、法華経一部に背くことがなければ、仏に成るのである――。
 「仏に成り候事は別の様は候はず、南無妙法蓮華経と他事なく唱へ申して候へば天然と三十二相八十種好を備うるなり、如我等無異と申して釈尊程の仏にやすやすと成り候なり
 ――仏になるということは別のことではない。他の事にとらわれることなく南無妙法蓮華経と唱えていく時に、自然と三十二の相・八十の好ましい特徴という仏の姿が備わってくるのである。
 「我が如く等しくして異なること無からしめん」と説かれるように、釈尊のような仏に簡単になるのである――。
 「たとえば鳥の卵は始は水なり其の水の中より誰か・なすとも・なけれども觜よ目よと厳り出来て虚空にかけるが如し、我等も無明の卵にして・あさましき身なれども南無妙法蓮華経の唱への母にあたためられ・まいらせて三十二相の觜出でて八十種好の鎧毛生そろひて実相真如の虚空にかけるべし
 ――たとえば鳥の卵は、はじめは水である。その水の中から、だれがしたということもないけれども、くちばしや目など身をかざるものが出てきて、やがて大空に飛翔するようなものである。私たちも無明(自分の生命に対し無知であること、成仏の可能性に迷うこと)の卵で、浅ましい身であるけれども、南無妙法蓮華経の唱題の母に温められて、三十二相のくちばしが出てきて、八十種好のよろい毛が生えそろい、実相真如の大空に飛び立っていけるのである――。
 「如我等無異」(法華経方便品、開結一七六㌻)とは、″自分と同じように衆生を仏にしよう、成仏させよう″という、釈尊の誓願である。
 絶対最高の永遠の幸福境涯が「成仏」の境界である。そして万人を、平等に仏にすることが仏の目的なのである。衆生の幸せを願う仏にとって、だれが上、だれが下という差別は絶対にない。これが、仏法の根本の精神である。
 大聖人は「我等も無明の卵にして」と、御自身を含めた「我等」――「私たち」という表現を使われている。
 あえて衆生と同じ立場から述べられ、成仏の道を示そうとされた大聖人。そのお心を深く、真剣に拝しながら、大聖人のお心を踏みにじる、宗教の権威化、貴族化と戦い、打ち破っているのが、学会の「宗教革命」なのである。(拍手)
 また「法に依って人に依らざれ」(大般涅槃経、大正十二巻)が、仏法の精神である。どうか皆さまは、御書に基づかない、嫉妬ゆえの言動、また邪見の人々の言葉に、一切、惑わされることなく、妙法を唱えに唱えぬいていただきたい。
 そして「実相真如の虚空にかけるべし」と仰せのごとく、現実の生活と社会の中で、″絶対の幸福″を満喫しゆく、悠々たる人生を勝ち取っていただきたい。(拍手)
16  悠々たる世界一の幸福の長者に
 ところで、室蘭には、明治初期に北海道開拓の大きな出発点となった、有名な「測量山」がある。
 この山の別名は「鳳栖山ほうせいざん」――鳥の王であるおおとりの住む山である。まさに、この室蘭が、人生の
 「王者」、福徳の「王者」の住むべき所であり、皆さまのすばらしき使命の舞台であることを表しているように思えてならない。(拍手)
 また、室蘭のロマンあふれる「地球岬」も有名である。人口は少ないけれども、心のスケールは大きいとほめていた人がいた。(拍手)
 「南無妙法蓮華経の唱への母」に温められ、幸福への翼を広げた皆さまである。「われらには、壮大な″地球平和″へ飛翔しゆく使命がある」「わが室蘭にこそ、″世界広布新時代″を開く精神の原点がある」と確信していただきたい。(拍手)
 そこで提案であるが、「世界一の室蘭」への希望と誓いをこめ、良き場所を選んで、記念の植樹を行ってはいかがであろうか。(拍手)
 「悠々たる世界一の人生の勝者に。世界一の幸福の長者に」――これが、私の切なる願いである。
 二十八年ぶりに、最大の真心で迎えてくださった皆さまに、ふたたび心からの感謝を申し上げ、お礼のスピーチとさせていただく。本当にありがとう! いついつまでも、お元気で!
 (室蘭文化会館)

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