Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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北海道夏季研修会 友よ来れ! 友よ続け!

1991.8.17 スピーチ(1991.7〜)(池田大作全集第78巻)

前後
9  有名なオルレアン城の戦いでのこと。城は敵に完全に囲まれ、そこにジヤンヌ・ダルクが到着した。城主に、なぜ戦わないのかとつめよるジャンヌ。城主は「私より偉い人の命令なのです」と、責任逃れをした。女子部が、腰の重い壮年部を叱咤激励しているようなシーンである。(爆笑)
 乙女は言い放つ。「臆病者は、一万人の兵隊があっても、城から打って出ないでしょう!」――女性の純粋な魂の叫びは強い。
 乙女に臆病者と言われ、城主も腹を立てた。「それなら、あなたの軍で、この囲みを破れるのか。わずか千人足らずの兵隊で――」と言う。
 ジャンヌは答えた。
 「わずか千人足らずですって? あなたは、敵の強さばかり口にされる。たしかに、向こうは強い『力』をもっていましょう。私たちを脅かそうと武器をちらつかせてもいるでしょう。しかし、あなたは肝心なことを忘れておられる」
 「肝心のこと?」
 「そうです。私たちには、もう一人、絶大なる力をもって、つねに私たちに勝利をさずけてくださる味方がおられる。その尊き力を忘れてはいませんか!」
 乙女の声は凛として城内に響いた。
 「私たちは、自分たちだけで戦うのではありません。私たちは、神とともにあるのです。正義とともにあるのです。私の率いる軍隊は、神の軍勢であり、正義の使徒です。明日は、見事にイギリス軍を打ち破って、城を解放してみせましょう。神を信ずるということは、勝利を信ずるということです」
 外道ではあるが、彼女の、この「確信」が、城主を動かし、城兵を動かし、歴史を動かした。
 「一人」の力は偉大である。「一人立った」人の一念の力は、不可能をも可能にする。
 彼女の「確信」は、人々に伝染し、皆が、「われらには、絶大なる味方あり」「われらは正義とともにあり」と、勇気百倍した。勇気は伝染する。恐怖も伝染する。ゆえに「一人」が大事である。ゆえに「指導者」の勇気が勝利のカギとなる。
 そして、このオルレアン城の勝利を境に、フランスは大攻勢に転じ、ついに奪われた国土を回復した。ジャンヌ・グルクの勝利は、一人の女性の「確信」の一念が、いわば核爆発のように力を発揮した実例である。
10  私どもはつねに、「御本仏」とともにある。「三世十方の諸仏」とともにぁる。「諸天」とともにあり、絶対の「正義」とともにある。これ以上の絶大な味方はありえない(拍手)。この「大確信」が″勝利の歴史″の扉を必ずや開いていく。(拍手)
 ジャンヌの旗は「百合の旗」であった。また学会婦人部のシンボルは「白百合」である。
 最強の軍団・婦人部(爆笑)をはじめとして、私どもは、仏勅実現のための仏の軍勢である。「御本仏とともにある」仏の勝利軍である。
 この確信と誇りに立つ時、私どもの前には何の迷いもない。ためらいもない。落胆もない。ただ勇気、ただ喜び、ただ希望の人生である。目の前が青き大空のごとく開けてくる。その「一念の転換」の力を強く申し上げ、本日の研修としたい。
 (函館研修道場)

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