Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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ドイツの友の「記念のタベ」 妙法は「希望」生む根源の力

1991.6.13 スピーチ(1991.4〜)(池田大作全集第77巻)

前後
5  仏法では、衆生の心は善悪一如であると説く。それゆえに「一心福いっしんぷく」と説かれるのである。妙法を根本としゆくところに、善根は善根としてさらに輝き、悪業もまた変毒為薬され、わが己心に収まって福徳と転じゆくがゆえに、一心の福というのである。
 すなわち、御本尊を受持し、信心を根本とした一切の行動は、すべて自身の福徳となって、みずからを荘厳していく。
 また、いかなる悪条件、悪環境も、信心によってすべてプラスの方向へと転じていける。南無妙法蓮華経と唱えゆくことそれ自体が、一心の福なのである。
6  七百年前、御本仏日蓮大聖人はただお一人、妙法広宣の戦いを開始された。その御法戦が、いかに苛烈を極めるものであったか。御書の文々を拝するとき、その一端が鋭く胸につき刺さってくる。冒頭でもお話ししたごとく、大聖人は、それら一切の法難を悠々と乗り越え、戦いを進められたのである。
 いつの時代にあっても、広布の戦いに、それを阻もうとする敵がいないなどということは絶対にありえない。御書、経文に照らしても、それは必然の帰結といえよう。
 正法に敵対するものがあることは、正しき法の証明である。また、敵が紛然として競い起こり、世間が騒げば騒ぐほど、それが動執生疑となって、正法に縁する人も多くなる。「難即拡大」こそ、広布前進の一つの方程式といってよい。
 いずれにせよ、たとえ世間が騒然となったとしても、″またこれで信心が鍛えられる。新しい大発展の好機である。ありがたいことだ″と、莞爾と微笑んでいくぐらいの余裕と沈着さをもって、同志を守りゆく、広布のリーダーであっていただきたい。すべてを大きな心でつつみ、つねに希望をつくり、喜びを与えゆくリーダーであっていただきたい。
7  歴史輝くボンで幸福の民衆史を
 今回のドイツ訪問も、大成功で終えることができた。ドイツの同志の皆さまには、たいへんにお世話になり、心より御礼申し上げたい。(拍手)
 ここボンの地は、歴史と文化にいろどられたすばらしき町である。古くローマ時代に築かれ、ボンの名は「都市・建物」という意味から由来している、ともうかがっている。つまり、ローマの時代に、文明の象徴である建物、都市が、この地に築かれたことに、町の名は始まったといえよう。
 そして、ボンといえば楽聖ベートーヴェンを生んだ地として、あまりにも有名である。また、ボン大学には、マルクス、ハイネ等、幾多の人々が学んでいる。哲学、芸術、文化――それら、人間精神をうるおしゆく水脈の一つとなってきたのが、ボンの町であった。
 雄大にして、とうとうと流れゆくヨーロッパの水脈――ラインの川のごとく、皆さまもまた、このすばらしきボンの町から、幸福と平和の水脈を流れ通わせていっていただきたい。そして、一人一人が永遠に崩れぬ福徳を築きながら、朗らかに、仲良く、そして、いよいよ若々しく、前進していかれんことを、心よりお祈りし、スピーチとさせていただく。本当にありがとう。いつまでも、お幸せに。(ボン市内)

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