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日蓮大聖人・池田大作

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第四十一回本部幹部会 民衆の「信念」と「団結」が歴史を開いた

1991.4.25 スピーチ(1991.4〜)(池田大作全集第77巻)

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29  ″民衆革命″の渦中、こんなエピソードがある。(ルイス・サイモンズ『アキノ大統領誕生』鈴木康雄訳、筑摩書房より)
 ――戦車が塀を破って突進し、群衆と向かい合う。にらみつける兵士たち。静かに歩み寄る民衆。その最前列には、女性たちが手に手に花を持って立っていた。
 一人の若い女性が、兵士の前に進み出る。深呼吸を一つ。思いきって花を差し出す。とまどう兵士。一瞬、緊迫した空気が流れる。兵士は、彼女を見つめ、「回れ右」をして後退した。それを合図のように、民衆と兵士の間の殺気は消え、にわかに笑顔が広がり、やがて、それは大きな拍手の渦となった――。
 「花」が「戦車」に、「非暴力」が「暴力」に、「魂の力」が「剣の力」に打ち勝った。まさに″武力の時代″に取って代わるのは″文化の時代″″女性の時代″であることの象徴のごときシーンである。
 ともあれ、二十年の長きにわたる独裁政治からの″解放″――。そして、長い苦闘の″冬″を乗り越えた夫妻の″凱歌の春″――。″夫婦一体の闘い(ラバン)″による、偉大な勝利劇は、不滅の叙事詩のごとく、燦然と民衆のゆく手を照らし続けるにちがいない。
 以上、十分ではないが、アキノ大統領との会見を記念し、感謝をこめて紹介させていただいた。
 フイリピンの同志も喜んでくれると思う。
30  最後に、「大歓喜の五月三日」をともどもに祝し、ともどもに栄光の新出発をしていきたいと申し上げ、スピーチを結ばせていただく。本当におめでとう! ありがとう。きょうお会いできなかった同志にも、くれぐれもよろしくお伝えください。
 アキノ大統領夫妻については、主に次の文献を参照した。
 ニック・ホアキン『アキノ家三代』鈴木静夫訳著 井村文化事業社刊 勁草書房発売、Lusy Komisar,Corazon Aquino――The Story of Revolution(George Braziller)

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