Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

第一回中国総会 勝つ人生は愉快なり、幸福なり

1991.3.9 スピーチ(1991.1〜)(池田大作全集第76巻)

前後
20  瀬戸内は″文化創造の地中海″
 広島には、また中国には、無限の力がある。くめども尽きぬ希望がある。それが、私の偽らざる感想であり、信念である。(拍手)
 じつは、初代会長牧口先生も、この中国の豊かな将来性を洞察しておられた。(拍手)
 牧口先生の一つの着眼点は、「瀬戸内海」であった。「瀬戸内」というと、「山光」(山陰)地域の方は、なんだと思われるかもしれないが(笑い)、全中国のことと思ってスクラム固く、大きな心でとらえていただきたい。(笑い)
 温暖な気候、穏やかな波。風光明媚な約七百の島々――。瀬戸内海は、日本で最大の「内海」であり、その一部は、瀬戸内海国立公園に指定されている。
 牧口先生は、青年時代の大著『人生地理学』の中で、「半島が文化の起点たらば内海は実に半島をして文化の基点たらしむるものなり」(以下、引用は聖教文庫版による)と述べられている。つまり、半島は文化の出発点であり、さらにその半島が文化の中心地になるうえで、内海は欠かせない役割を担うということである。
 牧口先生は、その例として、「吾人(=私)はこれらの観察をなすに当たりて、遠くヨーロッパに例を求むるにおよばず。近くしてかつ顕著なる好例を瀬戸内海に得。本州、四国、九州の三大島に包囲せられたる瀬戸内海は、さながらアジア、アフリカ、ヨーロッパの三大州に囲繞(=囲まれた)せられたる地中海」と、地中海と対比するかたちで瀬戸内海を挙げられている。(拍手)
 いうまでもなく、地中海は古来、海上交通路として重要な役割を担い、貿易の一大センターとなり、ヨーロッパ文明をリードする輝かしい文化を生みだしてきた。
 同じように、瀬戸内海は、古くは縄文・弥生時代から、北九州と畿内を結び、政治や文化の交流に重要な役割を果たしてきたといわれる。以来、瀬戸内海は、重要な航路として、また産業、文化の中心地としてあり続けた。
 たとえば、遣唐使、遣新羅使なども、瀬戸内海を通って旅立っていったことは有名である。
 また、牧口先生は「全国統制の基礎は、実にこの内海の権力を把握(=握りおさえる)するに在ることは明瞭のことなり。これにおいてか、歴朝関西の大戦は、常にこの内海において決せられたり」と。全国を統一するには、瀬戸内海を制することが不可欠だったのである。
 そして、具体例として、「源平の戦」「南北両朝の争」「織田信長の一統(統一)」「豊臣秀吉の勃興」を挙げられている。
 ともあれ、牧口先生は、文明論的な視野から、瀬戸内海の無尽蔵の未来性を鋭く論じておられたことを知っていただきたい。(拍手)
21  その瀬戸内海は、現在、新たな発展をめざしている。瀬戸内海沿岸十府県(広島・岡山・山口・愛媛・香川・徳島・兵庫・大阪・福岡・大分)は、日本全体のなかで、面積の約一五%、人口の約二五%を占めている。経済圏・文化圏のなかでも、枢要な地位にある。
 近年は、海を利用した観光、レクリエーション、スポーツが注目されていることもあって、広島県を中心として、瀬戸内海の総合的な利用・開発がめざされている。
 たとえば一昨年(平成元年)には、「'89海と島の博覧会・ひろしま」が約四カ月にわたって盛大に開催された。また、国際港湾都市をめざして、「広島ポートルネッサンス21」と銘打ち、本格的な計画が実施されようとしている。(拍手)
 さらに、一九九三年(平成五年)十二月には、新しく「広島空港」が完成する予定とうかがっている(拍手)。中国、シンガポール、台湾、香港、グアム、サイパンなどへの国際線の就航が予定されており、将来的にはアメリカ、オーストラリア、ヨーロッパなどへの便も考えられているという。
 また、その翌年の一九九四年(平成六年)には、広島で「アジア大会(アジア競技大会)」が開催されることになっている(拍手)。現在、その準備が着々と進んでおり、アジア各国から多くの青年を迎えるということで活気づいている。(=日本では、東京に続いて、広島が二番目のアジア大会開催地となる)
22  ともあれ、今、私どもの「世界への道」は広々と開けている。「世界」に背を向けた閉鎖性は、学会には無縁である。きょう集まった皆さまも、できれば全員、海外に行きましょう。ここ広島から!(拍手)
 中国五県の皆さまは、長寿、健康であっていただきたい。何の悔いもないと言いきれる、完全燃焼の″すばらしき人生″を生きぬいていただきたい。地域においても、職場、家庭においても、いずこにおいても、一切に勝ちぬいていただきたい。
 そして、″勝つことは愉快である″″広布闘争の人生劇は愉快である″との気概で、大満足のハッピーエンドヘ、たくましき″勝利王″と輝いていただきたいと申し上げ、本日のお祝いのスピーチを結びたい。
 (広島平和記念会館)

1
20