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日蓮大聖人・池田大作

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ドクター部、自樺会、自樺グループ合同研… 弱者を守りゆく「人格」の名医に

1990.8.17 スピーチ(1990.8〜)(池田大作全集第75巻巻)

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5  友人こそ人生の大きな誇り
 先日、この長野研修道場で、ソ連の作家であり大統領会議員であるチンギス・アイトマートフ氏とお会いした。現在、氏とは「対談集」発刊の準備も進められており(=『大いなる魂の詩』上。下、読売新聞社。本全集第15巻収録)、その打ち合わせの意味もこめて懇談のひとときをもった。
 そのアイトマートフ氏が、京都で伝統行事を見ながら、そばにいる人と懇談されたときの様子と会話が私のもとに伝えられた。そこで氏は、次のように語っておられた。
 「今回、(=対談集の)池田先生への回答を全部もってこようと頑張りましたが、間に合いませんでした。しかし、先生の質問はすぐに古くなるというようなテーマではない。読み返すたびに新しいテーマがびっしり詰まっています。それをみても、池田先生が″偉大なる人物″だということがわかります。大事な質問ですので、私も真剣に答えたい。この対談集は、今日も明日も、そして将来にわたって、大事な本になると思います」と。
 さらに、アイトマートフ氏は、対談集の「前書き」を、すでに書き終えられたことに触れつつ、その内容を次のように紹介されていた。
 「前書きのテーマは『池田先生のたき火のそば』ということになるでしょうか。私は、よりよき人生を求めて道を行く旅人です。その私が、ほのぼのとした明かりを発見する。
 明かりは、じつは、たき火だった。そのたき火のそばに、だれかが座っている。私は、彼に近づいていく。その人が池田先生だったのです」
 そして、氏は「たき火のそばに私が座ることに、池田先生が賛成するかどうか心配だが」(笑い)、と述べられながら「私は池田先生にあいさつをします。すると先生は『あなたはいったい、どこをそんなに長くさまよっていたのですか』と、問いかけます。
 私は『道は長くて、険しいものでした。途中で、いろいろな事件、事故にもあいました。人生の苦しみを味わいました。今、私はあなたに会えた。私はようやく、探していた人に会えた』と語り、さらに、池田先生に近づくのです」と。(=同席していたプログレス出版社のフスキン極東部長は、アイトマートフ氏の心情について「文殊〈仏典に説かれた菩薩で、すぐれた知恵を表している〉に出会えたかのような気持ちだったのでしょう」と述べている)
 求道の″旅人″であるアイトマートフ氏から、このような言葉を贈られ、まことに光栄に思っている。私は世界に多くの友人を持っている。なかでも、氏のような獅子のごとき友人を持ったことは、私の人生の大いなる誇りである。
6  訪ソの折にお会いした、児童音楽劇場のナターリヤ・サーツ女史も「皆さまは、偉大な方と巡り会われて、本当に幸せだと思います」と、私とともにソ連を訪問したメンバーに語っておられた。
 アイトマートフ氏も、サーツ女史も、私にとって、かけがえのない友人である。友人であるからこそ、友愛の心をこめて、こうした言葉を寄せてくださったのだと思う。
 「友情」は、まことにぁりがたく、すばらしい。同志愛は、固き信念と主義主張で結ばれた心の絆である。とともに、「友情」ほど、それぞれの信条を超えて、心の底から理解しあい、あたたかく、深く結びあう生命の絆はないというのが、私の心情である。
 どうか、その意味で、深い友情を結びあい、また友情をどこまでも大切にしていく皆さま方であっていただきたい。皆さま方の、ますますのご健勝とご活躍を、心からお祈りしたい。
 (長野研修道場)

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