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日蓮大聖人・池田大作

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第十八回全国青年部幹部会 みずからの″不朽の日記″をつづれ

1989.12.9 スピーチ(1989.8〜)(池田大作全集第73巻)

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19  「人間」と「法」に建国の基盤
 さて、先日(十二月七日)、南米コロンビアのバルコ大統領と会見した。奇しくも、コロンビアの国旗は「黄」「青」「赤」の三色で、わが学会の旗と同じであり、たいへんに親しみを感じた。
 会見の席で、大統領が印象深いお話をされていた。これまでは、どちらかというと政治・社会の表舞台にいたのは、年配の男性が多い。しかし、これからは、女性と青年を前面に押し出し、大いに活躍の場をあたえていくべきである、と。
 私も、まったく同感である。また現実に、そうしてきたつもりである。
 ちなみに、バルコ大統領の閣僚は、十三大臣のうち、公共事業、労働、鉱山エネルギーの三大臣が女性である。
 南米各国のなかでも、コロンビアは、学術文化の水準が高く、教育に力をそそいでいる。たとえば、公費留学生の数がもっとも多く、また、流麗なスペイン語を話す国として知られてきた。
 そして、特筆すべきは、民主を尊ぶ伝統が強いことである。大統領自身、朧為ぽ語りかけるさいに、必ず「コンパトリオータ(わが同国民よ)!」と呼びかける。これも″国民はだれもが平等である″との人間観の表れであるといわれる。
 こうした民主の気風は、南米解放の父シモン・ボリバルの思想を重んずる伝統によるものであろう。
20  ボリバルは、一八一九年、「大コロンビア」(=現在のコロンビア、ベネズエラ、エクアドル、パナマにあたる。一八三〇年以降に四カ国に独立)を建国し、初代の大統領となった。国づくりにさいし、彼が理想としたのは、「人間」と「法」を根本とした政治であった。
 彼は、法のもと、すべてを率直な話しあいと協議で決めていくようにした。独裁を許さず、他人の意見をよく聞き、自己の誤りも謙虚に正した。そうした姿勢を、彼は政治家の一つの理想とした。(ホセ・ルイス・サルセド=バスタルド『シモン・ボリーバル』水野一監訳、春秋社、参照)
 また彼の言葉に「政府を形成するのは原則ではなく人間である」「私にとって、栄光とはいかによく奉仕するかということであり、命令することにあるのではない」(同前)とあるが、これらは彼の政治姿勢を象徴的に表していると思う。
 こうした伝統を今に伝える国コロンビア。そのさらなる繁栄と栄光を、心から祈りたい。
21  明年は、いよいよ、学会創立六十周年。「青年世紀の年」も第三年を迎える。一年が価値ある五年、十年にも匹敵するような、諸君のご活躍を私は期待したい。
 健康第一に、いっさい無事故であっていただきたい。また、法のため、人のために全力で尽くしゆく広布の活動のなかにこそ、自身の成長と充実と健康が築かれていくものだ。
 小さいことでくよくよする必要はない。楽しい人生、青春を堂々と前進していけばよい。
 いかに幹部であっても、動かない人は、いつしか生命がよどみ、歓喜を失う。同志の信頼も失い、周囲に不快な存在となってしまう。
 どうか諸君は、軽快に、たくましく、動き、戦って、明年も朗らかな勝利の歴史をつづっていただきたい。最後に「よいお正月を」と申し上げ、本日のスピーチとさせていただく。
 (創価文化会館)

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