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日蓮大聖人・池田大作

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第十回SGI総会 仏法は人類普遍の精神の光

1989.10.4 スピーチ(1989.8〜)(池田大作全集第73巻)

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11  さて、明年(一九九〇年)は、大石寺開創七百年の大佳節であり、学会創立六十周年を迎える。
 また、世界広布の歩みが始まって三十周年となる。
 私は、来年の早々から、北・南米を訪問する予定である。アメリカ・ブラジルは、三十年前に、世界広布の第一歩をしるした旅で訪れた地でもあり、同じ道をもう一度、行ってみたいと思っている。(=九〇年二月十二日より十七日間、北米を訪問)
 さらに、秋には、第十二回sGI総会を、埼玉で開催する。
 次に、明後年の一九九一年には、世界を西に飛び、ヨーロッパを訪問したい。イタリアで、第十一回世界青年平和文化祭(=中東の湾岸戦争の影響で中止)、フランス・トレッツの欧州研修道場で、第十三回SGI総会が行われる。欧州の皆さまには、ふたたびお世話になることと思うが、よろしくお願いしたい。(拍手)
 続いて一九九二年には、仏教発祥の地であるインドを、じっくりと時間をかけて訪問したい(=同年二月六日に十三年ぶりの訪問を果たす)。インドには一九六一年(昭和三十六年)、日達上人をご案内申し上げて第一歩をしるし、ブダガヤに「三大秘法抄」と記念の碑が埋納されている。以来、明後年で三十星霜。「諫暁八幡抄」の「日本の仏法の月氏へかへる」とのお言葉どおりに、その広布の道をさらにきざんでおきたい。また″東洋広布″は、恩師戸田先生の遺志でもあるからだ。
 現在、世界各国の首脳等から、さまざまに招待を受けている。ソ連、中国、フィリピン、オーストラリア、アフリカのケニア、ナイジェリア、ザンビア、タンザニア、ガーナ、コートジボワール。南米のチリ、ウルグアイ、ボリビア、エルサルバドル。欧州では、オーストリア、西ドイツ、東ドイツ、ポーランド、ハンガリー、ブルガリア、チェコスロバキア。そしてカナダ、イスラエルなどである。
 お招きをいただいている国には、なんとかうかがいたいと念願しているが、日本の各地にもなかなか行けないし(笑い)……もともあれ、私どもの舞台は、世界に、全地球へと、大きく開かれ、広がっている時代を迎えたことを確信していただきたい。(拍手)
12  心一つにうるわしきスクラム
 御書に「一つ心なれば必ず事を成ず」――心を一つに合わせれば必ず物事を成就できる――と記されている。
 物事を成し遂げるために大事なのは、人数ではない。役職や立場でもない。心を一つに合わせられるかどうかである。心を一つにするとき、そこに、確かな未来の建設への″核″が生まれる。
 物事が成就しないのは、異体同心の心がないからである。とくに幹部が″自分は偉い″″私はこうなのだ″と思って、他の人と心を合わせていこうとしないのは、自分の″わがまま″にとらわれた姿である。それは、自分の利害のために組織を利用する心になりかねない。妙法の世界では、そのような生き方は絶対にあってはならない。
 その意味で、壮年部と婦人部と青年部が、皆で尊敬しあい、信頼しあって進んでいただきたい。若い人には若い人の″特権″があり、力がある。年配者には年配者の経験と知恵がある。婦人部の、まじめさ、一途さには、残念ながら壮年部はかなわない。(爆笑)
 そこで秋谷SGI理事長(現、SGI会長代行)からも話があったように、各国でも最高会議を行い、おたがいに意見を言いあい、聞きあって、皆の総意で活動を進めていただきたい。ひとりよがりの行動や、独裁、独善は、仏法の精神ではない。
 ともかく、皆で仲良く、心を合わせていこう――これを第一義としていただきたい。婦人部を軽視したり、青年部を見くだしたりするようなことがあってはならない。また、自分の利害のために、感情で人を叱ってはいけない。
 どこまでも、おたがいが尊敬しあい、信頼しあっていただきたい。そして″一緒にやりましょう。一緒に進みましょう″という、うるわしい励ましあいと、心を一つにした連帯があるところに、福徳に満ちた人生と広布の世界が幾重にも広がっていくことを確信していただきたい。
 最後に、すべての参加者の方々が、ますますお元気で、ますます健康で、ますます幸福の道を歩んでいかれんことを心よりお祈りしたい。そして、各国にお帰りになったさいは、大切な仏子であるメンバーの方々に、くれぐれもよろしくお伝えください、と申し上げ、記念のスピーチとさせていただく。
 (注)パグウォッシュ会議 正式には「科学と国際問題に関する会議」。激化する米ソニ人国を軸とする冷戦下、一九五五年七月に出された「ラッセル・アインシュタイン宣言」の呼びかけの具体化として、全人類的な見地に立って核の脅威と世界戦争を回避するための核軍縮等を訴える国際会議。カナダのパグウオッシュで第一回が開かれたことからこの名で呼ばれ、年一、二回開催される。
 (創価文化会館)

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