Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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第二十一回本部幹部会 広布の天地を″幸の花綵″で結ベ

1989.9.15 スピーチ(1989.8〜)(池田大作全集第73巻)

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27  模範の前進へ「心」合わせて
 さて、「心が合う」ことが、いかに大切なことであるか。最後に、この点について、少々、ふれておきたい。
 大聖人は、建治二年(一二七六年)、ある数人の門下のために祈っておられた。何か問題があったのであろう。しかし、なかなか結果が出ない。ついに大聖人は、こうご指南される。
 「なづき頭脳くだきて・いのるに・いままで・しるしのなきは・この中に心の・ひるがへる人の有ると・をぼへ候ぞ、をもいあわぬ人を・いのるは水の上に火をたき空にいゑを・つくるなり(中略)日蓮が失にはあらず
 ――頭が砕けるように強盛に祈ったが、今まで結果が出ない。それは、あなた方のなかに信心の心の翻った人がいるにちがいない。思いの合わない人のことを祈るのは、水の上で火をたき、空中に家を建てるようなものでまったくムダである。(中略)祈りの叶わないのは日蓮の責任ではない―――。
 「思い」の合わない人に対しては、御本仏が祈られてさえ願いが叶わないとの峻厳など指導である。
 歯車がかみあわなければ、いくらエンジンを回転させても、力は伝わらない。いかに弓をふり絞っても矢を別の方向に向けてしまえば、的に命中するはずがない。いくら送信機で信号を送っても、受信機の波長が狂っていれば通じない。すべて道理である。
 中心者に心が合わなければ、全体はもちろん、個人の力も発揮されない。自分勝手な「心」と「振る舞い」は、しだいに形式となり、権威となる。また、保守となり、停滞となっていくからだ。
 一見、頑張っているようでも、結果が実らない、効果が出ない。それは、中心に心が合わず、一切が「空に家を作る」ように空転している証左である。
 学会は、歴代会長を中心とした鉄桶の団結で発展のリズムを築き、広げながら、広布の波を幾重にも拡大してきた。その信心のリズムに「心」を合わせ、「思い」を合わせてきたからこそ、一つ一つの行動が価値を生み、相互に補い、相乗効果となって無限のパワー(力)を生みだしてきたのである。
 「心」「思い」といっても、決して特別なことではない。いかに、広宣流布を進めていくか。いかに人々の幸福を開いていくか。どのように、一人一人の信心を全うさせていくか――その地道にして純一な広布への「祈り」であり、「真心」にほかならない。
 それを自分だけが偉いと思ったり、彼は自分より役職が下であるとか、彼の態度が気に入らないとか、私はつねに本部から信用されているとか、小さな次元の感情に心が支配されてしまえば、「心」の波長は乱れ、狂っていく。要するに、いたずらに感情的になったり、仏子をいじめたりしていく幹部は、結局は信心のリズムに自己を合わせられず、正しき軌道を外れていくのである。
 反対に、根本に「思い」を合わせ、大きなエネルギー源にギアがかみあえば、その人には想像もつかない力が出る。気持ちよく皆の心が通じ合う。あたたかな世界が広がる。つねに楽しく新鮮に、広布と境涯の拡大を果たしていくことができる。すばらしき理想の世界を創造していけるのである。(拍手)
28  東北も、広布の盤石な基盤はできあがった。あとは、見事なる総仕上げの前進をお願いしたい。どこまでも心と心の通い合った「模範の東北」建設へと意気揚々と進んでいただきたい。
 最後に、尊い広宣流布の偉業に邁進される大切な皆さま方の、ご健康とご長寿を心よりお祈りし、本日のスピーチとさせていただく。
 (東北文化会館)

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