Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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第一回東京総会 信念に生き夢に生きよ

1989.8.24 スピーチ(1989.8〜)(池田大作全集第73巻)

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19  絶対、無事故の日々を
 最後に、御書を拝し、広布のリーダーのあり方について論じておきたい。
 建治元年(一二七五年)秋、身延から、駿河(静岡)の門下・西山殿に送られた御抄の冒頭に、日蓮大聖人は次のように述べられた。
 「鎌倉より事故なく御下りの由承り候いてうれしさ申す計りなし」――鎌倉より事故なくご帰国とうかがい、そのうれしさは申し上げようもない――と。
 鎌倉での仕事を終え、所領の駿河にもどった西山殿は、即座に大聖人に使いを立て、″無事帰国″の報告を申し上げる。それに対し、大聖人もまた、手紙を受け取られるや、ただちにご返事をしたためられた。まことに″打てば響く″心の交流であり、うるわしき心と心の通いあいといえよう。
 蒙古の再来におびえ、人心も荒れた不穏な世相である。大聖人は、門下の些細な移動や、安全の点にも深く心を配られていた。そのお心に応え、西山殿もすばやく″無事帰国″を伝えれば、大聖人も心から安心され、喜ばれた――師と門下の美しき″心の絵画″を見る思いがする。
20  皆さま方は、会員一人一人の安全を気づかい、また、人生万般での無事故、安穏を祈り、そのために聡明に行動していくリーダーであらねばならない。
 私も、会長就任以来、会員の安全、無事故に対しては、絶えず心をくだき、あらゆる手を打ってきた。とくに総本山への登山会については、大量の人員輸送でもあり、何回も打ち合わせを重ね、状況の変化にも幾重にも対策を講じ、神経を磨り減らすように絶対無事故を期してきた。
 登山会には、列車での輸送がある。バスや船での輸送もある。深夜、床に就いてからも、それぞれの移動状況を思い浮かべ、安全を祈り唱題したこともしばしばであった。その思いは、今も変わることがない。全幹部も同じ心であっていただきたい。
 もとより次元は異なるが、一人の門下の「無事故」の報告を、大聖人は「うれしさ申す計りなし」と喜んでくださっている。この御本仏のお心を拝するにつけても、事故は絶対に起こしてはならないと、あらためて強調しておきたい。無事故、そして健康第一で、すばらしい一日一日の前進をおたがいに誓い合って、本日のスピーチを終わらせていただく。
 (創価文化会館)

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