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日蓮大聖人・池田大作

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第十二回全国青年部幹部会 汝の魂の真実に生きよ

1989.2.14 スピーチ(1988.11〜)(池田大作全集第72巻)

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27  正法正義に生きぬいた牧口初代会長
 また、牧口先生の三回忌法要には、日亨にちこう上人、日淳にちじゅん上人(当時、堀米泰栄尊師)、日達にったつ上人(同、細井精道尊師)が御列席され、お言葉を述べられている。
 そのさい、日亨上人は次のように仰せになっている。
 「いま牧口会長は、信者の身でありながら、通俗の僧分にも超越して、国家社会のために大慈悲心をふるいおこして、釈迦仏の遺訓、章安大師の論釈、宗祖日蓮大聖人の御意みこころを体して、上下にはばかりなく、折伏大慈の手をゆるめず、ため有司ゆうし(=役人、官憲)に誤解せられ、ついには尊い大法に殉死なされたのであります。いつの時代にあっても、いつわりの心を捨て、真の愛情をもって世人に接すると、かえってにくまれ、うらまれるのであります」と。
 日亨上人は牧口先生を「通俗の僧分にも超越」とたたえてくださっている。何と鋭く偉大な慈愛のお言葉であろうか。
 そして、日亨上人は宗門の法難史に言及され、それらを『富士宗学全集』に要約記述されてきたことにふれられながら「私は、この法難史を追加収録する機会がありましたら、ぜひとも牧口会長のことと、戸田理事長等の数十人のことを明記しておいて、後世のかがみとしたいと思っています」と述べられている。
 この仰せの通り、十年後に再刊された『富士宗学要集』の法難編に、牧口先生と創価教育学会の法難を加えられている。
28  さらに日淳上人は「(=牧口)先生は価値論の完成を期し、信仰のうえに立脚され、自身の生活上に如実にあらわして、それを他に説いていった。その先生の労苦を、深く考えねばなりません。この労苦が解決されるならば、道は開けてくるのであります。
 牧口先生は、これを一人で解決されてかれたのです。牧口先生は、価値というものを研究されて、南無妙法蓮華経を体得された、希有けうのかたであります」と言われている。
 また、日達上人は「日本は、まさに邪見の宗教によって敗れ、しかもなお、邪見の学者によって堕落している今日、牧口先生の志を継いで、われわれ同志は、立宗の教義を深め、ますます広く流布し、正しいものは正しく認識するような研究が行われんことを、希望する次第であります」と。
 ここに日達上人は僧俗ともに「われわれ同志」と仰せくださっている。深い意義が込められた素晴らしいお言葉と拝される。
 これらのお言葉を後世に明確に残しゆくために、この席で改めて紹介させていただいた。最後に、若き後継の諸君の、素晴らしき健闘と勝利を心から祈って、私のスピーチを終わらせていただきたい。

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