Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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香港広布27周年記念総会 アジアに万年の平和の夜明け

1988.1.30 スピーチ(1988.1〜)(池田大作全集第70巻)

前後
10  もっとも不幸な人のところに、まっ先に駆けつける。それが真実の地涌の勇者である。自らの使命の舞台を選ぶ際も、その一念は変わらない。
 かつて日本は不幸のどん底の時代があった。そこに地涌の陣列が出現し、楽土日本へと方向づけていった。この方程式は、どこの地域にあっても同様である。
 今、皆さま方は、この香港の地で、自らも幸せになりながら、友に、また国土に真実の「平和」と「幸」の波動を広げておられる。お一人お一人が、この自ら決めた「使命の天地」で、「使命の人生」の尊き″ドラマ″を、立派に、思う存分、繰り広げていただきたい。
 香港――このロマンあふれる地名の由来については諸説あるようだ。なかに、かつてこの地が″香料を積み出した港″であったからという説がある。
 それが由来かどうかはともかく、この香港から、各地に素晴らしい″香″が送り出されていったことは事実のようである。この香は最高級の品質を誇っており、なかでもすぐれたものは、黄金にも匹敵するとされるほど珍重されたという。「香港」の名には、まことに馥郁ふくいくたる気品がかおっている。そのせいか、皆さま方もどこか品格かおる方々が多い。また現実の街も、近年の″クリーン・キャンペーン(美化運動)″等によって、いよいよ、その名にふさわしい街になってきているようだ。
11  ともあれ香港は、パリやハワイ等と並んで、世界中の多くの人々に愛されている都市である。この地への誇りと愛情を、信心の決意に昇華し、アジアの″かぐわしき港″を皆さまのお力で荘厳していただきたい。
 妙法こそ、生命を無上の馥郁たる香りで薫じゆく大法である。唱題の力は、その人を何ともいえぬ、ふくよかな香気で包んでいく。その、にじみ出る清浄な生命の芳香は、周囲の人々にも、さわやかな、そして明確な印象を与えずにはおかない。そのことは私の体験の上からも、また身近に妙法の友を知る各界の方々の話からも、間違いない事実である。
 御書には「法妙なるが故に人貴し・人貴きが故に所尊し」と仰せである。
 もとより、これは別しては御本仏・日蓮大聖人の御ことであられる。ただ総じていえば、大聖人の仏法を信受した私どもも、この尊極の妙法の力用によって、我が生命を、最高に高貴ならしめることができる。そして我が国土をも、最高に尊く価値あらしめていける大法であると申し上げたい。
 皆さま方は、この「香しき港」――香港の地の現実の中で、自分の人生を、自分の人生らしく、立派に完成させていただきたい。そして、周囲の人々からも「ああ、すばらしい人だ」「あの人がいれば安心する」と信頼され、慕われながら、この地に、自分でなければならない自分自身の使命の歴史を、強く深く刻んでいただきたい。
 その名香しく、三世永遠に薫りゆく、素晴らしい人生行路の軌跡を描き残していってくださることが私の最大の念願である。
 皆さま方はアジアの「平和の夜明け」を開きゆく尊き先駆者であられる。その意味から、香港の妙法の友全員のお名前を、私が銅板に刻ませていただきたい。そして、このアジアの「平和の殿堂」ともいうべき香港文化会館に掲げ、後世に永遠に顕彰させていただきたいと考えている。
 最後に、本日お目にかかれなかった方々に、くれぐれもよろしくお伝えくださるようお願い申し上げ、私の祝福のスピーチとさせていただく。

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