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日蓮大聖人・池田大作

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学生部夏季講習会 諸君よ、「忍耐」と「時」を忘れな

1987.7.21 スピーチ(1986.11〜)(池田大作全集第68巻)

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42  「生命の世紀」を広布と人生の勝利で飾れ
 本日はナポレオンを通して、種々、所感を述べさせていただいた。彼は一七六九年生まれ。一八二一年、五一歳で死ぬまで、ヨーロッパ、エジプト、そしてロシアを舞台に波乱万丈の人生のドラマを演じた。まさしく彼は、一八世紀から一九世紀への″世紀の転換″のただ中で生き、戦ったといってよい。
 その心意気は「前進!」の一語であった。私も青年時代、常にこの一念で広布の指揮を執った。戸田先生のもと、いかなる戦野でも日本一の勝利の前進を誓い、その通りの結果を出してきた。
 ちなみに「ナポレオン」という名は、一説によれば″新しい都市の″という意味のギリシャ語に由来する。その名のごとく彼はパリをはじめ、フランスに新しい時代の新しい都市を建設した。しかし私どもの前進は、より深く、新しき時代の新しき″人間″、新しき″生命の都″の建設である。
 一個の生命は立体的、重層的な無限の広がりを持つ。時間的には限りなき過去へ、そして永遠の未来へ。空間的には国土、宇宙とも一体である。仏の生命の本因、本果、本国土を説き、一念三千という完ぺきなる実相を明かしたのが妙法である。
 諸君の生涯の使命である広布の前進は、この法理に基づき、自身という″一人の革命″から全人類の宿命の転換という壮大なるドラマに向かって進む。そして、多くの犠牲者を出したナポレオンと異なり、私どもの運動は、無血革命であり、一人の犠牲者も出さない。また、出してはならないというのが私の固き信条である。
43  ナポレオンは不幸なことに、その最後は敗北であった。花の都パリには、彼の戦勝を記念する凱旋門がある。しかしナポレオンは、自らの人生の最後を勝利で飾り、その門をくぐることはできなかった。
 現在の学生部の諸君は、一番若い世代が一九六九年(昭和四十四年)生まれ。ナポレオンとちょうど二百年のへだたりがある。諸君もまた″世紀への転換″を生きる人達である。
 二十一世紀という「生命の世紀」への転換期を生き、そのを開きゆくのは諸君である。新世紀の″凱旋門″を「民衆の勝利」と「広布の勝利」と「人生の勝利」で飾りゆく使命の人が諸君である。ゆえに私は、妙法の学生部諸君に栄光あれ、晴れやかに生涯永遠の″凱旋の門″をくぐりゆけと心より念願し、記念のスピーチを結ばせていただく。

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