Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

婦人部国際部記念勤行会 「立正安国」は万国共通の法理

1987.3.17 スピーチ(1986.11〜)(池田大作全集第68巻)

前後
3  世界に平和社会実現のために
 「立正安国」は重書中の重書である。大聖人の仏法は、安国論に始まり、安国論に終わるとさえいわれる。それを浅学の学者や、増上慢から退転していった者たちが″立正安国論は、古い御抄である。現代には、もう通用する考え方ではない″といっていたが、これこそ僻見びゃっけんである。世界の現状を見るにつけても、「立正安国論」の深き意義がますます実感されてならない。
 時代と社会は一見、進歩・発展の姿を見せているように思えるかもしれない。しかし、根本的には、完全に「三災七難」を免れている国はない。要するに「安国」の姿を示している国家は、一国としてない。
 そうした現実に対し、人類の不幸の根本的な原因を明かし、絶対的幸福への確かな道を説かれたのが「立正安国論」なのである。ゆえに、混乱の様相を増す今日、その重要性は、一段と高まっていくにちがいない。
4  また、理想社会を説くさまざまな宗教、思想、イデオロギーが、すべて行き詰まりの状況を呈している。その意味でも「立正」なくして真実の「安国」はない。つまり、正法を弘め、民衆の生命の変革を基盤としない限り、人類主権の不変にして理想の平和社会を実現することは出来ない。ゆえに、地道に粘り強く、弘教と仏法理解を進めゆくことが、一切の根幹となる。長い歳月が必要かもしれない。しかしこの道以外に、安定と調和に満ちた″地球国家″の創造はないのである。ここに、「一閻浮提(全世界)」の、大聖人の仏法の意義があると思う。
5  いかなる世界にあっても、一人の″主役″の陰には数多くの人々の支えがある。大切なのは、その陰の人々であり、目立たない地道な立場で黙々と努力している人々である。そこに、いかなる表舞台の人にもまさる重要な存在がある。特に仏法は「平等大慧」の大法であり、陰の努力にこそ、こうこうと「冥の照覧」がある。また表舞台で活躍する人も、そうした人々を徹底して守り、宣揚していかねばならない。
 皆さん方は、国際部員とし、婦人部員として、地道に活躍を続けている事実じたいが、広布への偉大な貢献である。その誇りと自覚を深く持っていただきたい。
 また、今日の会合も、一見ささやかに見えるかもしれない。しかし、こうして御本尊のもとに繰り返し集い合っていく持続の中に、「冥益」の原理で、知らず知らずのうちに絶大なる広布伸展の力がたくわえられていくのであると述べた。
6  御書には、海外各国が「無智悪国」とされるのに対し、日本は「邪智謗法の国」と仰せである。また「一闡提人いっせんだいにん」が生み広げた衆生こそ、日本国の一切衆生であるとも仰せである。
 皆さまは、海外広布の活動に、直接は参加できない人がほとんどである。しかし、日本の皆さま方は、最も困難な国土世間にあって、世界広布の揺るがぬいしずえを築いておられるわけである。これ以上、尊い活躍はないし、全会員の我が地域での地道な活動が、すべて世界広布への偉大なる貢献となっていることを自覚されたい。
 最後に、婦人部国際部の友の成長、活躍を祈念して、次の歌を贈らせていただく。
  国際部 世界に勇者に ひびけよと
    妙法の経 共に和しつつ

1
3