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日蓮大聖人・池田大作

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全国総県長会議 勇気ある信心で人生の行路を開け

2003.9.11 メッセージ集(池田大作全集第67巻)

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4  ホセ・リサールは、医学、物理学、化学、そして経済学、地理学、言語学、歴史学、哲学と、あらゆる学問に精通した「万能の大学者」であった。
 フィリピン独立に、すべてを捧げて走り抜き、35歳で銃殺された。
 私は、その偉大な殉難の生涯を青年に伝え残そうと、これまで何度もスピーチしてきた。リサール協会のキアンバオ前会長とも語り合った。(=対談は『世界の文学を語る』と題し、2001年11月潮出版社から発刊)
 1998年2月のフィリピン訪問の折には、マニラにあるリサール像に献花させていただいた。
 創価大学には、リサール協会から贈られたリサール博士の胸像が大切に飾られている。
 (=名誉会長は、リサール協会から、日本人初の「リサール大十字勲章」〈96年11月〉、第1回「リサール国際平和賞」〈98年2月〉、第1回「最高文学賞」〈2000年10月〉を受賞。名門・南フィリピン大学から、第1回「リサール平和賞」〈同〉を贈られている)
 『見果てぬ祖国』には、リサールの生き方をほうふつさせる科白がちりばめられている。
 「人生は真剣なものだ。知性と勇気を持つ者だけが、その価値にふさわしく生きることができる。
 生きるということは、人間の中で生きることだ。人間の中で生きるということは、戦うということだ。
 この戦場では、人間にとって智慧より強い武器はない。自分の心に優る力はない。だから、おまえの心を研ぎ澄まして、鍛えて、磨いて、強靱な精神を育てるんだ」
 皆さまも、強き信心という無敵の武器をもって、人生の戦場で勝ち抜いていただきたい。
 「人間は、教育と文化を通して自分自身を改良できる。教育が高座に君臨するとき、青年は旺盛かつ俊敏に開化する」
 「学校を、苦痛の場所ではなく、知的な楽しみの場所にしよう。何よりもまず、子供達に、自信、安心、自尊の心を教えることが必要だ」
 偉大な青年を育てることは、偉大な未来を創ることである。
 どうか、皆さまも、リサールのごとく、偉大な信念に生き抜いていただきたい。青年の模範となっていただきたい。
5  理想へ! 自分自身に生きよ
 フランスの文豪、ロマン・ロランは、若き友への手紙につづっている。
 「高慢も卑下もいけません。それは二つの病気です。在るがままであり、自分にできるすべてのことをしなければなりません」(「ルイ・ジレ=ロマン・ロラン往復書簡」清水茂訳、『ロマン・ロラン全集』32所収、みすず書房)
 何があろうと、どこまでも自分らしく、自分自身に生ききっていくことだ。ここに信仰者の生き方の真髄がある。
 マハトマ・ガンジーは語っている。
 「人生は向上心であり、その使命は、自我実現という完全追求のための奮闘である。自分に弱点や欠点があるからといって、理想を低下させてはならぬ」(K・クリパラーニー編『抵抗するな・屈服するな』古賀勝郎訳、朝日新聞社)
 自我実現とは、いわば、人間革命ということである。
 人生とは、偉大な人間の可能性を開花させる、たゆみない挑戦なのである。
6  「創価の女性は美しい」
 21世紀を、すべての女性が輝く世紀に!――これが私たちの信念である。そうならなければ、真実の平和も幸福も築けないからだ。
 「創価世界女性会館」も開館3周年を迎えた。すでに来館者は30万人に迫る勢いである。
 これまで南太平洋・パラオ共和国のレメンゲサウ大統領ご夫妻、またゴルバチョフ元ソ連大統領とその令嬢・令孫、私が対談した未来学者のヘンダーソン博士、香港の芸術の母・方召麐ほうしょうりん画伯はじめ、世界から国家的な指導者や学者、文化人が訪れている。
 この「女性の世紀」の幸福城を守り支えてくださっている皆さまに、私は心から感謝申し上げたい。
 信濃町近辺に在住され、私どもと“ご近所づきあい”しているウクライナのコステンコ大使ご夫妻は語っておられた。(2002年1月11日)
 「創価世界女性会館に入る女性の方々は、皆、おきれいです!」
 「でも私は、会館に入る時以上に、出てくる姿は、もっと美しいと思うんです。生命が躍動しています。幸福感に満ちた“輝く女性”を、たくさん見かけます」
 まことにうれしい評価である。
 御聖訓には「法妙なるが故に人貴し・人貴きが故に所尊し」とある。
 どうか、妙法とともに、同志とともに、この女性会館から「平和の光」「幸福の光」「希望の光」そして「勝利の光」を、さらに一段と発信していっていただきたい。
7  名画「第九の怒濤」に魂のメッセージ
 おかげさまで、東京富士美術館は今年、開館20周年になる。
 その佳節を記念して、この11月からロシアが誇る最高峰の名画が公開される。19世紀屈指の大画家・アイワゾフスキーの傑作「第九の怒濤」である。
 今回、国立ロシア美術館より特別に貸し出され、出展される運びとなった。
 アイワゾフスキーは生涯、若々しい青年の息吹で、海を中心に6000点もの絵を描き続けた。信念と人間愛の画家として知られている。
 主題である「第九の怒濤」は、嵐の海についての言い伝えに由来している。
 大波は一定のリズムをもって襲ってくる。そのなかで9番目の波が最も巨大で、最も激しい。しかし、その試練の怒濤を乗り切ることができれば、大きな活路が開けてくる――という言い伝えである。
 大画面に描かれているのは、長い嵐の夜が明けようとする早朝の海。いまだ荒れ狂う大海原の波間で、難破した船の帆柱が木の葉のように揺れている。船員たちは疲れ果てながら、折れた帆柱に必死にしがみついている。
 そこに、巨大な「第九の怒濤」が白いしぶきを上げながら、今にも襲いかかろうとしている。船員たちは力を合わせ、勇敢に怒濤に立ち向かう。
 その猛々しい怒濤の彼方には、まばゆいばかりの黄金の旭日が、新しい時代の希望の勝利を象徴するかのように、荘厳な光を放っている――。
 この名画には、「勇気を奮い立たせよ! 恐怖にも屈するな! 強靱なる人間の意志の力は、どんな嵐にも勝利することができるのだ!」との魂のメッセージが込められているといえよう。
 わが波涛会の同志の貴重な体験を伺うと、実際の航海でも、波から逃げよう、避けようとして不用意に旋回すると、かえって横波を受けて転覆してしまう危険があるということだ。
 広布と人生の航路にも「第九の怒濤」の試練が当然あろう。しかし「法華経の兵法」をもって越えられない波など絶対にない。
 「勇気ある信心」を、いよいよ燃え上がらせ、「来るなら来い!」「さあ、かかって来い!」と正面から迎え撃ち、断固として突破していくことだ。
 御聖訓には仰せである。
 「生死の苦悩に満ちた大海を渡ることは、妙法蓮華経の船でなければ、成し遂げられない」(御書1448㌻、通解)
 21世紀の激動の荒海にあって、生命尊厳の大仏法を掲げ、新しい人類の平和と共生と繁栄の大航路を切り開きゆく大船――それが創価学会である。
 今、世界の心ある知性は、未来の希望の光源を、この創価の勝利と拡大に見いだし始めた。
 仏教とイスラムに橋を架ける対談を私とともに行ったハワイ大学のテヘラニアン教授も、こう期待を寄せてくださっている。
 ――本来、文明というものは、一つに帰結する。それは「人間の文明」である。「生」と「死」という人類共通の根本課題を探究し、打開しながら、この新たな「人間の文明」を創造しているのが、SGIである――と。
 さあ、いかなる怒濤をも、強く麗しき「異体同心の団結」で、愉快にまた愉快に、そして、堂々とまた堂々と、乗り越え、勝ち越えていこう!
 そして「創価完勝」の旭日を、朗らかな笑顔で、朗らかな歌声をもって、また勝利の歓声をもって、ともどもに仰ぎゆくことを約し合っていこうではないか!
 どうか、お体を大切に!一人ももれなく丈夫になって、健康で長生きしていただきたい。
 何ものにも優先して、強い生命をつくることである。すべて祈りが根本である。
 「信心も、仕事も、頑健になるために戦うのだ!」――自分でそう決めて、そこから出発していくことである。
 お帰りになられましたら、各地域の皆さま方に、くれぐれもよろしくお伝えいただきたい。
 各方面、各県の晴れやかな勝利へ、そして創価の「完勝」へ、勇躍、大前進して、来月、また笑顔で、愉快に、お会いしましょう!
 (創価文化会館)

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