Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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全国の青年部に 青年部の時代へ決然と一人立て

1998.5.15 メッセージ集(池田大作全集第67巻)

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5  声ある国へ――民衆の夢を代弁
 「五・四運動」が「新しき社会」をつくった、もう一つの理由は、「青年たちが民衆の声を代弁していた」ことであります。ひとりよがりの観念の遊戯ではなく、民衆が言いたくても言えなかった本当の叫びを、青年たちが大声で叫んだのであります。
 ”よくぞ言ってくれた”と人々が喝采する言論戦です。民衆と一体の前進です。
 魯迅は青年たちに呼びかけました。
 “中国の民衆は、多年にわたって、声をあげることなく生きてきました。「声なき中国」でありました。しかし、いったい声がない人間がいるものでしょうか。声を出さないのは死んでいることではないでしょうか”と。
 「まず青年が率先して中国を、声ある中国に変えるのです。大胆にものを言い、勇敢に前進する。すべての利害を忘れ、古い連中を押しのけて、真の自分の考えを発表する」
 「真の声であってはじめて、中国の人と世界の人を感動させることができるのです。真の声があってこそ、世界の人とともに世界に生きることができるのです」(「声なき中国」竹内好訳、『魯迅文集』4所収、筑摩書房)
 五月四日、青年たちは叫びました。「我ら人民の『頭をはねる』ことはできても、我ら人民の『頭を下げさせる』ことはできない!」(斎藤道彦『魯迅文集』4所収、筑摩書房)と。
 民衆が、凛々しく頭を上げて前進しゆく近代中国の夜明けが、ここから始まったのであります。
 虐げられてきたところが、強い。中国も長き百年の間、虐げられたゆえに、今、二十一世紀を前に、本当の底力を出し始めました。
6  創価学会も虐げられてきたゆえに、強くなった。そして今ようやく、限りなき底力を出すときが来たのであります。
 御聖訓にいわく「日蓮が弟子等は臆病にては叶うべからず」また「法華経の師子王を持つ女人は一切の地獄・餓鬼・畜生等の百獣に恐るる事なし」と。
 ある哲人は言いました。
 「勇気こそ最大の美徳である。なぜなら、他の美徳――信念、希望、慈愛その他の徳があったとしても、それを実践する勇気がなければ、現実には美徳にならないからである。勇気なくして、いかなる美徳もない」勇気こそ、一切の人間性を生かす「原動力」であります。
 勇気こそ、青年の可能性の扉を開きゆく「キー(鍵)」であります。
 勇気こそ、古き社会の垢を押し流し、洗い流す「奔流」であります。
 勇気こそ、世紀末の闇を燃やし尽くす「炎」であり「太陽」であります。
 勇気こそ、人類を前へ前へと進歩させる「エンジン」であります。
 そして「勇気」が「正義」と結びついたとき、その人は無敵の力を得る。
 「勇気」こそ「信仰者」の証明なのであります。
7  「やれることはすべてした」のが英雄
 「十万の青年がいれば日本を救える」と恩師は遺言されました。
 今日、幾百万の青年が集いました。日本を救い、世界を変えられないわけがありません。「英雄」とは、「自分にできることを、すべてやった人間」であります。凡人とは、自分にできないことを夢見ながら、自分にできることをやろうとしない人間であります。
 文句を言いながら、また、ゆったりと遊びながらの行動では、広宣流布の勝利はない。自分自身の人間革命もありません。かえって転落してしまう。すなわち「英雄」とは、至高の目標を見つめながら、自分らしく戦い切った人のことであります。
 「自分自身に生きよ」とは戸田先生の遺言でありました。
 ゆえに学会っ子は、いかなる時代になろうとも、前途に何があろうとも、自分らしく堂々と、勇敢に、朗らかに生きることです。
 最後に、「広宣流布は青年部がやりなさい!」「学会の勝利は、青年部が勝ち取りなさい!」「先輩を乗り越えて、青年よ、進め!」と申し上げ、私の祝福のメッセージといたします。

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