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日蓮大聖人・池田大作

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習慣が健康をつくる 広布のリズムは健康のリズム

「健康対話」(池田大作全集第66巻)

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9  学会活動は最高の健康法――釈尊も歩いた
 椎場 先ほどのお話ですが、釈尊もよく歩いたのですね。
 池田 ある記録によれば、出家の目的を果たした直後に、三百キロを超える道のりを歩きました。かっていっしょに修行した、五人の仲間に法を説くためです。
 成見 三百キロ超というと、ほぼ東京名古屋間に相当する距離ですね。
 池田 釈尊は、生涯、歩き続けました。つねに人間の中へ飛びこみ、人間の中で真理を語り、人々の苦悩を癒した。
 大聖人も弘教のため、歩きに歩かれました。
 成見 阿仏房のように、何度も佐渡から身延の大聖人をお訪ねした門下もいますね。
 池田 身延を訪ねた阿仏房は、老齢であったようです。佐渡から身延までは、直線距離でも約三百キロ。途中には険難な山並みが続き、治安も悪く、決して安全とは言えない。
 その苦労はいかばかりであったろう。尊き求道心の表れです。
 今で言えば、海外から来日されるSGI(創価学会インタナショナル)のメンバーの姿も信心の鑑です。皆さんに接するたびに、「仏を敬うが如く」最敬礼する思いです。
 森田 歩くと言えば、私たちの日々の学会活動こそ、何よりの運動であり、健康増進の秘訣です。
 池田 会合に参加する、友の激励に歩く、弘教に励む――そこにはつねに偉大な目的があり、「行動」があります。
 椎場 以前、シナノ企画のビデオを見ました。そこでは、沖縄の初代婦人部長が、振り返って語っておられました。
 「歩かなければ家庭指導はできません」「歩くこと、徹して歩くことが、若さと健康の秘訣です」と。
 成見 味わい深い言葉ですね。
 椎場 この方は、どんな島でも知らない道はないというほど、沖縄中を歩きぬかれたそうです。
 本当に若々しく、美しい姿に感動しました。
 池田 立派な方です。彼女が話していたことがある。″戦いは足が鉄板のようになるまで歩きぬいてこそ、初めて勝つ″と――。
 法のため、人のため、社会のために尽くしゆく行動が、どれほど生命を革新させるか、はつらつと人生を生きる源泉となるか、計り知れない。
 友のための行動こそ、真の健康の源です。「人のために灯をともして明るくしてあげれば、自身の前も明るくなる」(御書一五九八ページ、通解)との御聖訓のとおりです。
10  声を出せば若返る――「心は鍛えるほどに軽くなる」
 成見 朝の勤行も、医学的に見ても正しい健康法になっています。
 正座でもイスでも、背筋を伸ばし、声を出すことで、呼吸機能が活性化し、心臓や肺の機能が高まります。
 森田 教学の研鎖や学会指導の学習も、頭脳を働かせ、より深い人生を生きるための智慧を得ることになりますね。
 池田 古代ローマの哲学者で、雄弁家であったキケロは言っています。
 「肉体は鍛錬して疲れが昂ずると重くなるが、心は鍛えるほどに軽くなる」(『老年について』中務哲郎訳、岩波文庫)
 椎場 雄弁といえば、女性の得意な「しゃべること」「声を出すこと」も(笑い)、健康法の一つになると思います。
 成見 明るく、にぎやかな語らいは、ストレスの解消にも通じます。心身の疲れを癒してくれますからね。
 森田 のみならず、声を出すことは、脳を刺激し、認知症の予防にも役立ちます。
 椎場 さらに、正義と真実を語ることで、自身も勇気づけられ、元気になれます。
 池田 一石二鳥、いや三鳥だね。(笑い)
 仏法では仏の説法を「獅子吼」と呼ぶ。仏典には、その意義がとう説かれています。
 (1)偽者の正体を暴く
 (2)邪悪を寄せつけない
 (3)同志を守り、安心させる
 (4)内なる仏の生命を呼び覚ます
 (5)戦いをリードする
 (6)すべてを自分の味方にする
 (7)自身と同志を高め、豊かにしていく――などです。(「大般涅槃経」)
 仏法の正義や哲学を語りぬく声は、皆、「獅子吼」です。王者の声なのです。
 ともあれ、広宣流布の行動に一切、むだはありません。学会活動には、健康になるための条件がそろっています。これが私の五十数年間の信仰の一つの結論です。
 広布のリズムのなかで、健康のリズムを整えていくことができる。広布のために、喜び勇んで動いたぶんだけ、自身の生命に金剛不壊の幸福の基盤を築くことができるのです。

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