Nichiren・Ikeda
Search & Study
薬
生命力を引き出す仲介者
「健康対話」(池田大作全集第66巻)
前後
9 漢方薬の併用は専門家とよく相談して
池田 では西洋医薬と漢方薬をいっしょに使ってもかまわないのですか。
加藤 はい。これは「併用療法」と言われています。とくに慢性の病気などで、西洋医薬の副作用を抑えたり、「漢方薬で体質の改善をしながら西洋医薬の量を減らす」ために行われることが多いようです。
金谷 ただ漢方薬は、たいへんきめこまかい処方を必要とするので、漢方の専門家の指示にもとずついて使用することが大切です。
池田 いろいろ、な薬がありますが、信頼できる専門家と相談して、それぞれの長所を生かしていくことですね。先ほど、人体は「一大製薬工場」と言いましたが、生命には本来、「病気を治す力」が備わっています。
この力を、仏法では「薬王菩薩」と説く場合がある。妙法のリズムに合致すれば、この「薬王菩薩」の働きが活発になります。薬もよく効くようになると考えられます。
児玉 それは私たちも、多くの例で見ていますし、自分自身も実感していることです。
10 「飲み方」で効き目が変わる
池田 薬は「諸刃の剣」と言いますね。体にいい反面、有害な場合もある。
金谷 はい。その代表が「副作用」です。よく効く薬でも、人によっては、副作用の出方が強いこともあります。
11 薬は毒にもなり、毒も薬になる
池田 「薬は毒にもなる」というのは、そのへんのことを言ったのでしょうか。
児玉 はい。薬は本来、体にとって異物ですから、多少の毒性をもっています。「服用法」や「飲み合わせ」を間違えると、毒性を現すことがあります。
池田 「毒薬」も、「毒薬」と言うぐらいだから、「薬」の一種ですか?
加藤 そうなんです。薬の中で、毒性が強く、ごく少量で強い効き目が出るものを「毒薬」と言います。「使用していい量」と「死にいたる量」の差が少ない薬も「毒薬」です。
児玉 有名なのがトリカブトです。これは古くから毒性が強い植物として、知られていますが、同時に鎮痛剤として使われていました。
今でも、漢方薬では「附子」と呼ばれて使われています。
池田 青酸カリも薬になりますか。
加藤 青酸カリは純然たる「毒物」であって、薬にはなりません。
池田 なるほど。よく時代劇などで「一服盛る」と言いますね(笑い)。あれは、どんな毒を盛っているのですか。
金谷 よく、わかりませんが。(笑い)おそらく青酸カリなどがふくまれたものだと思います。
池田 薬の副作用には、どんな症状がありますか。
児玉 胃の痛みや便秘・下痢、「眠くなる」「集中力が落ちる」などの症状が多いですね。