Nichiren・Ikeda
Search & Study
応急手当
「冷静」が命を守る
「健康対話」(池田大作全集第66巻)
前後
9 やけどはすぐに水で冷やすこと
池田 では、実際にやけどをした場合は、どうすればいいのですか。
森田 とにかく、すぐに水で冷やしてください。いちばんよいのは、「水道の流れる水で三十分以上冷やす」ことです。すぐに冷やしたおかげで、軽くすんだり、早く治った例がたくさんあります。
豊福 服を着ているときには、その上からでかまいません服をぬがすと、やけどした部分の皮膚がはがれて細菌が入りやすくなります。
池田 昔は、やけどをしたとき、みそやしようゆを塗るといいと言いましたが。
豊福 みそ、しようゆなどは絶対につけないでください。細菌に感染して、やけどがひどくなる恐れがあります。
池田 やはり素人判断は怖い(笑い)。最近は、幼児が電気炊飯器につかまり立ちをして、蒸気でやけどするケースも増えているようですね。
森田 子どもの手の届くところにお湯の入ったポットなどを置かない、ストーブの上にやかんをかけない、などの習慣をつけておいていただきたいと思います。
10 家の中でも事故は起きる
池田 家の中も、決して安全な場所とは言えませんね。交通事故死の次に多いのが、家庭内での事故死だと聞きましたが。(=二〇〇六年度の警察庁、厚生労働省の統計資料によると、家庭内での事故死のほうが多くなっている)
豊福 あまり知られていないことですが、そのとおりです。子どもや高齢の方がいる家庭では、とくに注意が必要です。
森田 実際、事故の中身も、子どもや高齢者の「階段などでの転倒」「異物を飲んでの窒息死」「浴槽での溺死」などです。
池田 安全な場所だと油断していると、防げる事故も防げなくなってしまう。大聖人は「賢人は安全な状態にあっても危険に備え、心の曲がった人は危険な状態にあっても(それに対処しようとせず)安穏を願う」(御書九六九ページ、通解)と注意をうながされています。
ちょっとした気配り、用心。それがあるかないかで、百八十度違う人生行路になってしまう場合もある。賢人でなければならない。飛行機も飛び立つ前に毎回、入念に点検する。人生の使命を果たすためにも、生活のすみずみにまで心のサーチライトを当てて、「安全」を確保しなければならない。
「とれくらい大丈夫だろう」「何とかなるだろう」「いつか、きちんとやろう」――そういう緩みを油断というのです。
夏は、体力を過信して無理をする場合も多い。多くの事故の原因も疲労や油断です。「最高に価値ある夏だった」と言えるよう、強い祈りを根本に、賢明な信仰即生活を送っていただきたいと思います。