Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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だれもが21世紀の主人公!  

「希望対話」(池田大作全集第65巻)

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12  こんな世紀に! こんな自分に!
 ―― 中等部のメンバーに「どんな二十一世紀にしたいか」を聞いてみました。
 「差別がない世紀」「いじめや犯罪がない世紀」「核兵器が、一つもない世紀」「国境も、パスポートもなくなる世紀」「全世界の子どもたちが笑顔でいられる世紀」というのもありました。
 「景気がいい世紀」というのもあります。それから「人のために尽くそうという気持ちが、当たり前になる世紀」と答えた人もいます。
 また、自分の目標として、「いろんな言葉を覚えて、どんな国の人とも仲良く話せる人になりたい」「あの人がいるから、日本が大好きだと言われる人になりたい」「あの人のおかげで、元気が出た、幸せになったと、たくさんの人から言われる人になりたい」というのもありました。
 池田 すばらしいね! みんながいれば、二十一世紀は安心だね! みんなががんばった分だけ、二十一世紀はよくなるのだから。頼むよ!
 ―― こういう声もありました。
 「池田先生! どうか長生きしてください。私は毎日、それを一生懸命、祈っています。池田先生といっしょに二十一世紀を進んでいきたいです」
 池田 ありがとう。本当にありがとう。うれしいね。みなさんの祈りのおかげで、私はますます健康です。
 これからです。これからが本格的な前進です。これからも世界をまわりたいし、いっぱい本も書きます。
 そして、すべてを完璧にバトンタッチして、晴ればれと未来を見届けていきたい。
 うんと長生きして、若いみんなが世界中で活躍する二十一世紀を、見守っていきたい。それが私の「希望」です。若いみなさんこそが、私の「希望」なんです。
 ―― ありがとうございます!
13  断じて勝て! 何かで勝て! 最後には勝て!
 王者の宝物とは
 池田 みんなの晴れの出発に当たって、私の大好きな話を贈って、終れりたい。それは、今から二千数百年の昔(前四世紀)。マケドニアという国に、一人の青年がいた。青年は二十二歳。若き王だった。
 彼は一国の運命を背負って、当時の超大国ペルシャとの戦いを決心した。
 彼の名は、アレキサンダー。
 旅立ちの時が来た。彼は何と、自分のいっさいの宝を、臣下たちに分け与え始めた。「全部、もっていってくれ、遠慮するな」と。
 遠征の途中で、彼らに、もしものことがあっても、残された家族が暮らしていけるようにという配慮だったのでしょう。
 しかし、それでは、アレキサンダー自身は困らないのか?
 心配した臣下の一人が、聞いた。
 「王よ、すべての宝を分けてしまって、王ご自身は、いったい、どうするおつもりですか? 出発なのに、もう何も残っていないではありませんか」
 「私か?」。アレキサンダーは微笑んだ。
 「私にも、宝が残っているぞ。それも、最高の宝だ。それをもって、私は旅立つ」
 臣下は、けげんな顔をした。宝だって? どこに?
 「その宝とはな、その名を『希望』というのだ。私は、ただ一つ、この『希望』という宝を握りしめて、出発するのだよ!」
 そう言って、にっこりと青空を見上げ、めざす東の地平線を指さした青年王者アレキサンダー。(『ブルターク英雄伝』河野与一訳、岩波文庫、参照)
 そのりりしき姿を、未来部のみんなの姿と二重写しにしつつ、この「希望対話」を終わります。
 君よ、あなたよ、「断じて勝て! 何かで勝て! 最後には勝て!」と祈りながら。

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