Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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性格を変えたい  

「希望対話」(池田大作全集第65巻)

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4  目立ちたいのは自信がないから
 池田 「目立ちたい」こと自体は、悪いことではないと思うが、そもそも、どうして、そんなに「目立ちたい」のだろう? 何か、心に「さびしさ」があるのだろうか。
 ―― はい。何と言うか、「みんなの気を引きたい」のだと思います。
 ある担当者は、授業中、先生をからかって、話を脱線させたり、平気で校則を破ったりしていたそうです。それは、どんどん成績が落ちている時期でした。テストの点も悪い。クラブも数カ月でやめた……自分に自信がないからこそ、逆に何とか目立って、みんなから注目されたいと思っていたのかもしれません。
 池田 「自信」がポイントだね。自信がないから、何かで人の優位に立とうとする。自信がないから、「人が自分をどう思っているか」が、気になる。自信がないから、やきもち焼きになるし、自分の悪いところを素直に認めることができない。
 自信がある人は、自分の悪いところを認めても、壊れないだけの、しっかりとした「自分」がある。しかし、自信のない人は、自分の非を認めてしまったら、「自分の全部が否定された」みたいに感じるのです。
 自分が、ぐらぐらしているから、「みんなの喝采」や「賞讃」という支えが必要になる。しかし、それでは、心の平和はないでしょう。いつも、みんなに注目されていないと不安だというのでは。
 「目立ちたい」という性質は、よく出れば、「積極性」とか「リーダーシップ」とかになると思う。しかし、かえって、みんなの反感を買ってしまうのでは、自分自身も幸せとは言えない。
5  目立ちたがりやの彼女が変わった
 ―― たいへん目立ちたがりやの女の子がいました。マニキュア、香水、ルーズソックスに短いスカート。すぐに男子に声をかける。人の恋愛にも口を出す(笑い)。成績は最悪。いつも、みんなの輪の中にいないと気がすまない。心は純粋なんですが、周囲からは「人騒がせな」子と思われていたようです。
 二年生のある日、事件が起きました。文房具を万引きし、補導されてしまったのです。警察から、親御さんといっしょに帰ってきた彼女は「どうして、こんなことをしてしまったんだろう」と落ちこみました。
 そのとき、生まれて初めて、「お題目を真剣に唱えよう」と思ったそうです。題目を唱えると、だんだん勇気がわいてきました。そして、「使命」について考え始めるようになったそうです。
 じつは彼女は、中学受験で志望校に落ちてから、勉強の意欲をなくしていたのです。勉強をおろそかにしてきたことを反省した彼女は、「自分の力を出せる高校、使命のある高校に行きたい」と思うようになりました。その決意を支えたのが中等部の仲間でした。
 池田 ご両親も、さぞかし心配されただろうね。
 ―― そうなんです。ご両親の対応も立派でした。
 もちろん、彼女をがっちり叱ったそうですが、変に事件を隠したりせず、「もう、わが家の子ではない」と突き放したりもしませんでした。彼女を信じ、「きっと反省し、自分で立ち上がってくれる」と見守り、待ってくださったそうです。
 その後、彼女は変わりました。学校で、まじめに勉強するようになったのです。
 ところが、そうなると今度は、今まで仲の良かった友だちが「無視」するようになったのです。
 彼女は、そのつらさにも耐えました。そして、中等部の仲間と励まし合いながら、志望校に合格したのです。
 池田 よかったね! よかった、よかった。きっと、そのとき、彼女は「目立とう」としなくても、自然と輝いていたんじゃないかな。
 ―― そうなんです。「自分は、やりきったんだ!」という充実感が、体中にあふれていたそうです。
6  「人の目」なんか小さなこと!
 池田 そうだね。「やりきった!」という″努力″が″自信″になる。そうやって、大地に足をつけた人は、人が認めてくれようがくれまいが、そんなことは「小さなこと」だとわかるのです。自分で自分を認めてあげれば、それでいいのです。
 そのためには、何かを、やりぬくことです。「苦手な人にも、あいさつする」でもいい。「毎日、決めたページ分は読書する」でもいい。「一日一回は、人に親切にする」でもいい。もちろん、勤行・唱題の目標でもいい。これが根本ですから。
 自分で決めたことを、一つ、やりきってごらん。それが自信になる。そういう人は、自然に輝いていくものです。
 ―― 目立とうとしなくても、自然に人から信頼されますね。
7  「心は、上手な絵描きのよう」
 池田 どんな性格であろうと、みんなは若いのだから、「もっともっとすばらしい自分」に向かって挑戦してもらいたい。
 仏法では、「心は、上手な絵描きのようなものだ」と教えています。自由自在に、理想的な「未来の自分」を、心の中に、デッサンし、肉づけをし、色をつけ、やがて「現実」のものにしていける。そういうすごい力が「心」にはあるのです。
 まして、みなさんには御本尊がある。「こうなりたい」というイメージを、しっかりと描き、抱きしめて、祈り、努力していけば、必ず、だんだんと、そういう自分に近づいていけるのです。

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