Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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平和って何?  

「希望対話」(池田大作全集第65巻)

前後
17  沖縄戦の絵は語る
 池田 「原爆の図」で有名な、今は亡き丸木位里・俊さんご夫妻は「沖縄戦の図」を描かれました。これは沖縄の佐喜眞さきま美術館にあります。
 ―― 先日、「聖教新聞」(二〇〇〇年六月十一日付)でも紹介されていました。
 池田 美術館を訪れ、この絵を見た十七歳の女子高生は、感想のノートに、こうつづったという。
 「私は、ずっと死ぬことしか考えてきませんでした。明日から生きていけそうな感じがします」と。
 ―― 悲惨な「死」の絵を見て、「生きる力」をもらったというのは……。
 池田 もしかしたら、「絵」が心に語りかけたのかもしれないね。
 「生きなさい! 生きなさい! あなたは生きられるのだから。無残に死なねばならなかった、私の分まで生きなさい! 私の母の分まで生きなさい! 私の赤ちゃんの分まで生きなさい!」と。
 ―― 生命の叫びが聞こえてきたのでしょうか。
18  堂々と「正義を叫ぶ人」に
 「命こそ宝」
 池田 沖縄では、「ぬちどぅ宝」(命こそ宝)という。この沖縄の心を、中学生のみなさんに知ってもらいたい。
 ―― 今また、日本では、過去の戦争を美化したり、正当化しようという危険な動きが強まっています。すごい勢いで強まっていると思います。
 池田 みんなは、そういう「うそ」を見抜かなければならない。
 「あなたは、死んでいった沖縄の子どもたちの前で、死んでいったお母さんの前で、そういうことが言えるのか! 虐殺された中国の人たちの家族の前で、同じことを言ってごらんなさい!」と。
 ―― 本当に、そのとおりだと思います。多くの人が、「おかしい」と思いながら、勇気がなくて言えないのですね。戦争の「事実」を伝えようとすると、「表現がきつすぎる」とか「子どもには重すぎて、悪い影響を与える」とか言って、ごまかそうとする人もいる。卑怯です。
 池田 みんなは、そうなってはいけない。みんなが、「堂々と正義を主張できる人」に育った分だけ、平和は来る。
 平和は、だれかから「与えられる」ものではない。平和は、自分たちで「創る」ものです。「創造する」ものです。
 それを忘れて、油断すると、すぐに危なくなってしまうものなのです。だから毎日、私たちは、みんなのお父さん、お母さんは、平和のために「行動」しているのです。

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