Nichiren・Ikeda
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勉強しにくい
「希望対話」(池田大作全集第65巻)
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5 「奨学金」もある
池田 また、状況によっては、志望校をあきらめなくてもいいかもしれない。「奨学金」の制度もある。未来をあきらめず、人の倍、勉強することです。
―― はい。念のため、「奨学金」というのは、学校に行くお金を借りて、社会人になってから返す制度です。
たとえば日本育英会(=平成十六年〈二〇〇四年〉より独立行政法人日本学生支援機構へ事業移行)では、中三時に募集を行います。公立・私立を問わず、貸してもらえますし、もちろん、私立のほうが高額です。高校に入ってからも、リストラや、親の病気や死などに直面したとき、緊急で貸してもらえる制度もあります。大学生や短大生、専門学校生などについては、希望者のほとんどに貸してもらえるものもあります。
いずれにせよ、ご両親や先生、先輩に、よく相談し、決してあきらめないでほしいと思います。
池田 苦しい環境であっても、そこで歯をくいしばってがんばる人は、人が見つけられない「財産」を自分のものにできる。反対に、弱い人は、どんなに「恵まれた環境」でも、「自分をダメにする環境」にしてしまう。
イタリアだったか、「難破船には、どんな風も逆風である」という、ことわざがある。
6 だれが、あなたの人生の主人公か
池田 ともかく、「進路」というと、何か「決まったレール」があって、そこを行くように思うかもしれない。でも、そうじゃない。
高村光太郎という詩人は言った。
僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る(詩「道程」、『近代詩人4 高村光太郎』所収、潮出版社)
あなたが歩いた、その道が、あなたの「進路」になるんです。
あなたが選んだ、その生き方が、あなたの「将来」を決めるんです。
だれが決めるものでもない。だれのせいでもない。全部、あなたの人生です。
「環境」に振りまわされるだけなら、環境が、あなたの人生の主人公ということになってしまう。それでは、つまらない。
あなたの人生を決める主人公は、「あなた自身」なのです。