Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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第5章 学ぶ心学ぶ意味  

「21世紀への母と子を語る」(池田大作全集第62巻)

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11  高等部員の“希望の星”に、と決意
 池田 ところで、三井さんのお茶の水女子大のほうは、どうなったのかな。
 三井 それが、小学生の時に受験を決意して駒場高校に進んだものの、高校では、勉強より読書に夢中になってしまい、大学受験の勉強をしていなかったんです。
 ですから受験勉強を始めようとした高校三年の時は、まったく合格不可能な成績でした。
 教師に相談しても、「だめだめ、一発勝負屋は受からない」と言われて。(笑い)
 でも私は思ったんです。
 「常に勉強ができて成績優秀な人が、いい大学に入ったら、それは当たり前だ。
 成績がそれほどでもないのに、必死に勉強して合格したという体験をすれば、それを見て、後に続く高等部員が『自分にもできる』という自信を持ってくれるのではないか」と。
 それで、少し大げさですが(笑い)、「自分を高等部員の希望の星にしてください!」と、真剣に祈りながら勉強を開始しました。
 池田 なるほど。とらえ方だね。「心強き人」には、すべてが前進の糧となるものです。
 三井 決意してからは、本当に死にものぐるいで、それこそ体をイスに縛りつけて勉強しました。(笑い)
 そうして、とうとう受験の日を迎えるのですが、試験会場に行くと、周りの人が、みんな頭のよさそうな人に見えるんです。「自分はきっと落ちるんじゃないかな」と弱気になってしまいました。
 そして数学の試験。問題を見た瞬間、真っ青になりました。まったく、分からないんです。
 「もうだめだ」と思い、鉛筆を投げ出し、突っ伏して寝てしまいました。
 蓬田 周りの人も、びっくりしたかもしれませんね。(笑い)
 三井 でもしばらくすると、これまで応援してくれた母の姿を思い出し、「私はいったい、何のためにここまで頑張ってきたんだ! 最後まであきらめないで、やってみよう!」と思い直しました。
 あらためて、冷静になって問題を見直すと、こんどは全部、分かるんです。(笑い)
 残された時間で、すべて解答し、合格を勝ち取ることができました。
 池田 おそらく試験会場の独特の雰囲気にのまれて、心が縮み上がってしまったんだろう。心一つで、大きな違いが出るものだね。
 “見れども見えず”という状態では、いくら力があっても、一〇〇パーセント発揮することはできない。
 ある人が受験の思い出を語っていた。
 「家を出る時、母は、『何も心配しないで、しっかり力を出し切ってらっしゃい。試験の時間、お母さんがずっと題目を送っているからね』と言って送り出してくれた。母が祈ってくれているということが、どれほど心強かったか分からない」と。
 一生懸命、何かに打ち込んだ後は、「自分はこれだけやった」という「自信」が残りますね。
 三井 はい。受験のおかげで「真剣に努力すれば、乗り越えられない困難はない!」という信念を培うことができました。この時の経験が、その後の生きる力ともなったと思います。
12  学び続ける人は深い人生を生きる
 池田 受験に限らず、地道に努力を重ねた人には、かなわない。“一夜漬け”で学んだものは、所詮、付け焼き刃です。一日少しずつでも、学び続けたものは、血肉となり、自分の力となっていくものです。
 蓬田 人生も同じですね。
 池田 戸田先生は、最後の最後まで「勉強せよ。勉強しない者は私の弟子ではない」と厳しく言われていました。
 先生の教えどおり、今も私は、学び続けています。
 戸田先生の事業が一番、苦境にあった頃、それを支える私は、大学に行きたくても行けなかった。
 しかし先生は、「心配するな。ぼくが大学の勉強を、みんな教えるからな。勉強は、ぼくにまかしておけ」と言われ、毎日曜日、ご自身の休養もさしおいて、ありとあらゆる学問を個人教授してくださった。日曜だけでは足りず、会社の始業時間前の早朝もです。
 生命を削ってでも、ご自身の持てるすべてを、私に伝えきっておこうという気迫であられた。
 ありがたい師匠でした。私は「戸田大学」の卒業生です。それが一番の誇りです。
 子どもだけでなく、お母さんも学びましょう。「女性の世紀」を開きゆく皆さんは、賢明な女性となっていただきたい。
 「学は光」「無学は闇」――学び続ける人は美しい。学ぶ姿は、すがすがしい。一歩、深い人生を生きることができる。
 母も、子も、ともに学びながら、限りない向上の人生を歩んでいこうではありませんか。

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