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日蓮大聖人・池田大作

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東京創価小学校第9回卒業式、関西創価小… 人生の大航海の船長に

1990.3.20 教育指針 創価学園(2)(池田大作全集第57巻)

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4  明るく、強い「楽観主義」で
 彼が、キャプテンとしてはじめて大航海に出たのは四十歳。”人生は四十代から”といいますが、彼もそれまでは、少年時代からじっくり、あせらずに努力を続けたのです。
 大きい仕事をした人には、かならずそうした土台づくりの時代があるものです。いつもテレビを見ていたい。遊んでいたいかもしれない。でも、そこに人生の、本当の幸せが築けるわけではない。たとえていうなら、その喜びは、ホタルの光のように、はかないものです。
 少年時代、青年時代に、がまん強く自分に挑戦し、自分に負けなかった人が、大きく自分を広げていける。また、最高の人生の思い出、財産をつくることができるのです。
 また、クックの二回日、三回目の大航海の船の名は「レゾリューション」号といいました。これは「決心」という意味です。
 彼は、”南方には謎の大陸がある”などの迷信を打ち破り、新しい海の道を開いていきました。なぜ、そうした大きな仕事ができたのか。それは、彼が”とてもできない””行くことは不可能だ”とされていたことに進んで挑戦したからです。だれも知らない陸地があると聞くと”すぐたしかめよう”。次にどこを探検しようかというと”地図にまったく載っていないところへ行こう”と決心して出かけたからです。
 その航海は、たつ巻きにあって難破しそうになったり、見知らぬ島で殺されそうになったり、苦労のしどおしでした。
 しかし、キャプテン・クックは「とてもできない」ことも、まず、やってみようと決心した。そして、ひとたび決めた以上、どんな障害に出あっても、決してくよくよしなかった。何があっても明るく、「楽観主義」で、前に進んでいったのです。
 何ごとも、”もうボクはだめだ””いくら努力しても私は変わらない”といった悲観主義では、次の勝利はありません。みじめになっていくだけです。ひとたびは負けても、”次は勝つ””今まで以上に努力してかならず克服してみせる”との強い「心」が大切です。
 心を決めれば、勇気と知恵がわいてきます。できないと言われていることも、自分でやってみないとわかりません。人がどう言おうと、まず自分です。皆さんも、そうした強い「決心」の人であってください。
5  尊敬される人、尊敬されない人
 キヤプテン・クックは、こうして自分の目で新しい世界を見、たしかめ、それまでになかった正確な地図を作り、残しました。彼ほど数多くの地名をつけた人はいない、といわれています。
 ある意味で、皆さんのこれからの勉強も、クラブ活動も、新しい友との出会いも、見知らぬ世界への「探検」といえるかもしれません。
 一日一日、新しい「山」を登る。一日一日、新しい「海」を渡る。新しい「大陸」を見つけていく。そして、新たな”発見”と”感動”をもって心の中に、自分自身の”世界地図”を伸び伸びと広げていっていただきたい。そんな、はつらつとした中学生活を送ってください。
 さてクックは、キャプテンとして、多くの船員や乗船した科学者たちを、とても大切にしました。クックの手紙の中には、人に対する悪口はまったく見あたらず、皆のことをいつもほめているといいます。悪口しか言えないような人は、結局、自分がみじめです。人を尊敬できない人は、自分も尊敬されません。
 クックは、全員が元気で航海できるよう、それはそれは真剣に心をくだきました。航海の途中、何かたいへんなことが起きる。「さあ、どうするか」――全員が、息をのんで、見つめます。そんな時、クックは少しもあわてない。ただ一人、ゆうゆうと指揮をとり、道を開いていきました。
 これが立派な指導者としての姿です。多少のことで大さわぎしたり、少し叱られたからと元気をなくしてしまうようでは、本当のリーダーとはいえません。
 何があっても負けない。くじけない。失敗も次の勝利への糧としていく。どうか、皆さんも、これからの学園生活の中で、そうした強い深い人格をつくっていってください。
 皆さん方は、私のあとに続いて、「平和」と「文化」の大航海を世界中に繰り広げてくださる、偉大なるキャプテンです。また、どうか、お父さん、お母さんを世界旅行に連れていってあげられるような人になってください。
 創価小学校という「魂の港」から船出してゆく皆さんの限りない未来に思いをはせ、”いつまでも健康で””いつまでも楽しく””いつまでも成長を”と念願し、お祝いのスピーチとします。

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