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日蓮大聖人・池田大作

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創価中学・高等学校第25回、関西創価中… 運命は「自分の心」が握っている

1993.3.16 教育指針 創価学園(2)(池田大作全集第57巻)

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4  詩人の叫びが「闇」を破った
 さて、マンデラ大統領の「闘争の人生」の原点はどこにあったか。その大きな転機は、高校時代であった。(『自由への長い道――ネルソン・マンデラ自伝』東江一紀訳、日本放送出版協会。参照)
 マンデラ大統領も、はじめから「鋼の闘士」だったわけではなかった。幼少のころ、”黒人は白人よりも劣っている”と繰り返し教えこまれた。”社会の仕組みが、もともとそうなっているのだから、仕方がない”――社会には、無力感とあきらめが蔓延していた。
 しかし、その惰性を打ち破る事件が起こったのである。卒業前のある日、著名な黒人の詩人が学校を訪れ、スピーチをした。
 その詩人は、校長をはじめ多くの白人が並ぶ前で、毅然と叫んだ。
 「余りにも長い間、われわれは、白人がもたらした、誤った偶像を崇拝し、それらに屈服してきた。しかし、今や、われわれは立ち上がり、こうした考えを捨てさるのだ」
 マンデラ青年は、驚いた。そんな勇気ある声を発する人など、当時はだれもいなかった。その時の衝撃を、氏は「暗闇の夜を、彗星が駆けぬけたようだった」と回想している。
 「人間はだれ人たりとも、平等であり、尊厳である!」という不滅の信念の光が、彼の胸に輝きわたった。その光を抱きしめ、大闘争の人生がはじまったのである。
 わが学園生もまた、傲慢な権力が庶民を侮辱し、人権を踏みにじり、生命を軽視するような濁った時代を、断固として転換しゆく闘士と育っていただきたい。(拍手)
 マンデラ大統領は、こう語っている。
 「私は、基本的には、楽観主義者です」「楽観主義であることは、一つには、つねに太陽に顔を向けて、歩み続けることです」と。
 関西学園の皆さん方の中には、今回の阪神・淡路大震災の被害にも負けず、きょうを迎えた友がいる。私は、心から賛嘆し、皆さんと一緒に拍手を送りたい。(大拍手)
 どうか、いつの日か、ご両親に、新しい家をプレゼントできるような力ある人に成長していただきたい。また、海外旅行に楽しく連れていってあげられるような皆さんになっていただきたい。また、かならず、そうなっていくことを私は信じている。
 創価教育の創始者である牧口先生は、人間生命を蹂躙する軍部権力に立ちむかい、獄死された、偉大な方である。その師匠の正義を証明しゆくために、わが恩師戸田先生は、生きて牢獄を出て、まさしく「巌窟王」となって戦いぬかれた。
 私もまた、迫害と批判の連続であった恩師の正義を世界に示すために行動してきた。そして今、戸田先生と牧口先生を、不滅の偉人として、厳然と世界に宣揚できた。これは私の人生の誇りである。
 次は、学園生の皆さんこそが、私が世界に開いたこの道を、勇気をもって、堂々と、悠々と歩んでいっていただきたい。
5  あせらずに! 21世紀に勝利を
 先ほども卒業生の「出発の誓い」にあったが、皆さんの本舞台は二十一世紀である。
 あせる必要はない。二十一世紀に勝てばよいのである。今、かりに成績が思わしくなくとも、それで自信を失ってはならない。長い人生から見れば、小さなことなのである。大事なことは最後に勝つことである。新世紀に大活躍することである。
 四月から新しい生活が始まるが、今は土台づくりの時である。一生の勝利、一生の幸福の基盤をつくる時である。土台づくりは、華やかではない。泥にまみれ、毎日が地道な作業である。その忍耐をしきった人が勝つ。
 ご両親を大切にしていただきたい。お父さん、お母さんを大切にできる人、親孝行できる人がいちばん偉い人である。
 最後に、「勉学の英雄」「勉学の名選手」、そして「愉快な皇帝」となっていただきたい、と念願して、私の祝福のスピーチを終わりたい。
 おめでとう! お元気で。

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