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日蓮大聖人・池田大作

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関西創価小学・中学・高等学校合同第四回… 「情熱」こそ「栄光」の力

1992.10.19 教育指針 創価学園(2)(池田大作全集第57巻)

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3  現場に行き、現場を知る大切さ
 次に、世界一の大富豪とされたアメリカのロックフェラー(1839九年―1937年)の話をしたい。
 諸君の将来のために――。また家族や友人関係、学校教育にも通ずる教訓があるかもしれない。
 あるとき、彼は、関連の「石油カン製造工場」に行った。そして、カンができあがる工程を見てまわった。上に立つ人は、かならず現場に行き、現場を知ることだ。上から命令だけしていて発展するはずがない。
 見学するうち、ロックフェラーは、一人の工員に目をとめた。彼(工員)は、一つのカンの封をするのに、それまで「ハンダ十四個」かかっていたのを、工夫して「ハンダ十三個」でできる方法を考えだしたのだという。(=「四十個を三十九個に」との説も)
 たった一個分の節約――。しかし、ロックフェラーは、彼の手をとって、跳びあがらんばかりに喜び、絶賛した。
 「それはすばらしい― 君はじつにすばらしい!」
 その喜び方があまりにも激しく真剣だったので、周囲も、ほめられた本人も、びっくりしてしまったという。
 しかし、この「工夫を大事にする」「小事を大事にする」精神があったればこそ、ロックフェラーは大事業を成功させたのである。
 また、この逸話は、「人をほめる」ことの大切さも教えてくれる。「人を怒る」ことばかり考えているのは愚かな指導者である。
 先生方も、生徒に「いいこと」があれば、心の底から、ほめることである。「自信」をもてば、その人の可能性は、いくらでも引きだされていく。
 将来ある諸君のため、人生を勝ちぬくための”知恵の言葉”を、いくつか語っておきたい。
 まず――
 「経験の示すところでは、成功するかどうかはその人の能力より情勢に負う所の方が大きい。自分の仕事に身も心も捧げる人間こそ勝利者となる」(ドローシー・カーネギー編『カーネギー名言集』神島康訳、創元社。以下、引用は同じ)
 イギリスの社会活動家チャールズ・バクストンの言葉である。わずかな才能の違いよりも結局、情熱の人かどうかが人生の勝敗を決する。
 そして「勝利者」とは、自分が楽をし、人を踏みつけにして、いばっている人間ではない。それは人間としての敗北者である。大目的に身も心もささげゆく人こそ、それ自体、勝利の姿なのである。
 また、アメリカの思想家デール・カーネギーの言葉にこうある。
 「世界の大偉業の大半は、もはやこれで絶望かと思われた時にも、なお仕事をやり続けた人々の手によって、成し遂げられた」
 もうダメか――そういう窮地になっても、絶対に仕事をやめない。「かならず勝つ」と決めて戦い続ける。そこに、私どもの「奇跡」とさえいわれた大前進も生まれたのである。
 電球や蓄音機を生みだした”発明王”エジソン――。
 「ほとんどすべての人間は、もうこれ以上アイディアを考えるのは不可能だという所まで行きつき、そこでやる気をなくしてしまう。いよいよこれからだというのに」
 もうこれ以上できない――そこでやめるか、「いよいよ、これからだ」と立ち上がるか。このわずかな「一念」の差が、人生の大きな分かれ目になってしまうのである。
4  「自分の弱さ」以外に「障害」はない
 さらに、アメリカの詩人ロングフェローの言葉。
 「辛抱すればこそ、成功が得られる。長い間大声で扉を叩き続ければ、必ずだれかが目を覚まして開けてくれる」
 いったん決めたら、「続ける」ことである。目標を達成するまで、忍耐し、努力し続けることである。叩き続ければ必ず「勝利の扉」は開かれる。
 最後に、エルバート・ハバードの言葉。アメリカの教育家の名言である。
 「天才とは、絶え間なく努力を続けられる人間のことである。(中略)やる気をすっかりなくさない限り失敗はあり得ない。自分の内部から生ずる敗北以外に敗北は存在せず、われわれが生まれつき持っている心の弱さ以外には、越えられない障害など存在しない」
 結論すれば、人生の勝敗を決めるものは、すべて自分の「一念」である。「心の持ち方」である。
 この「一念」の勝利者こそ、真の勝利者である。
 これらの言葉も、私は全部、実践してきた。そして勝った。
 きょうは本当にご苦労さま。お父さん、お母さんによろしく。またお会いしましょう!

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