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日蓮大聖人・池田大作

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創価中学・高等学校第24回入学式、関西… あせらず「強き自分」をつくれ

1991.4.8 教育指針 創価学園(2)(池田大作全集第57巻)

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4  最後の勝利は鍛えた「人間の力」が
 かのアレクサンダー大王を、少年時代から教えた哲学者アリストテレス――。彼は、何より、大王に何ものをも恐れぬ勇気や自信といった「人間の力」を、懸命に教えた。
 大王は、のちに、東方遠征の旅にでる。そこで、若き日に培った不屈の信念、闘魂、知性の表われとしての生き生きとした好奇心、決断力と行動力、また試練に対する忍耐力……そうした「人間」そのものの力が、いかんなく発揮されていった。その一切の原点は、諸君と同年代の時の鍛錬にあった。師アリストテレスが精魂こめて伝えた不屈の精神の力。ここに、古代世界の英雄アレクサンダーの勝利のカギがあった。
 諸君は、この学園時代、少々のことで一喜一憂する必要は、まったくない。長い人生である。
 きょう入学を果たし、一つの「学びの軌道」にも乗った。この軌道をまっすぐに、あせらず、悠々と、「強い自分」をつくりあげていっていただきたい。
 勉強は苦しい。青春時代は悩みの連続でもある。しかし、「挑戦」を忘れぬことだ。すべては自分自身のためである。若き日に苦しみながら勉強しぬいたかどうかは、時とともに、大きな差となって表れる。中途半端だった人は生涯、悔いを残す。どうか「体も強い」「心も強い」「頭脳も強い」諸君であっていただきたい。
5  学びの庭に偉大な光が
 最後に、パブリック・スクールの最名門校とされるイートン校を出た、あるイギリス首相の言葉を紹介したい。
 「後の人生で、どんなに成功しようと、どんな満足や大望が達せられようと、どんな勝利が得られようと、あのイートン校の第六学年の生徒だった昔ほど、人は偉大にはなれない」――。
 社会的成功や勝利は、華やかに見えるかもしれない。地道な忍耐の「学びの時代」は、つまらないように思えるかもしれない。しかし、そうではない、と。
 むしろ、この「学びの庭」にこそ、偉大なる光があった。偉大なる可能性があり、希望があり、偉大なる魂の力があった。生命の輝きがあった。瞳が理想に燃えていた。「人間」として美しく崇高であった――。
 ”結果”は大事である。しかし、そこへむかう”プロセス(過程)”は、ある意味で、結果以上に大切である。その人が何をしようとしているのか。何を願い、めざし、どう未来へと生きているのか。その”因”としての姿にこそ、何ものにもかえがたい人生の躍動がある。その人の「人間として」の精髄がある。
 その意味で、大いなる希望に生きる「青年」は、いわゆる成功者よりも、いかなる権力者や富豪よりも、優れた宝をもっている。皆さんもまた、「あの、わが学園時代ほど、人は偉大には生きられない」と言いきれる、誇り高き三年間、また六年間を勝ち取っていただきたい。(拍手)
 そして偉大なる先輩に続き、偉大なる後輩のために、偉大なる「人格」と「英知」を鍛えゆく日々であってほしいと念願し、晴れの日の、祝福のスピーチとしたい。

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