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日蓮大聖人・池田大作

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創価学園1 中学校・高等学校[昭和52年度]

教育指針 創価学園(1)(池田大作全集第56巻)

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12  創価女子中学・高等学校 寮生との懇談会〈昭和53年1月23日〉
 人に迷惑をかけない人生を
 きょう一つだけ申し上げておきたいことは、「人に迷惑をかけない」ということであります。皆さんにとっては、お父さん、お母さんに心配をかけないことが、迷惑をかけないことになります。
 仏法では、親の恩、師の恩を忘れてはいけないと説いています。親をばかにしたり、反抗したり、蔑んだりしてはいけない。それは畜生にも劣るのです。皆さんは、親に迷惑をかけてはいけない。先生に迷惑をかけるのもあまりよくありません。それでは一生、幸せになれない。
 皆さんは、立派に育っていかなくてはなりません。体が弱くても親に心配をかける。昔、私が体の弱かったとき、体が弱いのは周りの人々に迷惑をかけることになるから一人前ではない、とある人にいわれました。それならば、私は、周りの人に迷惑をかけないためにも、丈夫になろうと決意したものです。
 牧口先生と戸田先生の関係は、地球上でもっとも荘厳な関係であった。戸田先生は、牧口先生に絶対に迷惑や心配をかけなかった。迷惑とか心配をかけるというのは、とんでもない弟子だ、それが戸田先生の心情であった。私も、戸田先生に絶対に迷惑、心配をかけないで、何とか先生に喜んでいただこうと決めました。それが私の人生観でもあります。
 どうか皆さんは、お父さん、お母さんに迷惑をかけないで、自分のことは自分でやり、自分らしく責任をもっていってください。その人が、人間として偉い人であります。甘ったれて、迷惑をかけて、よりかかった人生では、そのつっかい棒がなくなったら無残です。自分らしく、強く信念をもっていく、そう決心してほしい。この信念を、一生涯、もち続けていただきたい。
 皆さんにとっては、はるか遠い老後のことになるけれども、はじめから子どもや孫に面倒をみてもらうのは、やはり弱いといえる。頼らないで、自分一人でやっていこうと決めて、しぜんに子どもや孫が面倒をみてくれる。それは福運です。それはそれでいいのです。しかし、変なよりかかりをしてはいけない。自分の力で、また自分の責任で自分らしくやりなさい。
 迷惑をかける人は立派な人間にはなれない。きょうはこのことをいっておきたかったのです。
 学園生はしっかりと訓練を受けているんだから、自信をもっていただきたい。社会にあっても職場にあっても、立派にやっていかなくてはならない。大きな使命を背負っているんだから、どんなに苦しいことがあっても、悲しいことがあっても、負けるような人であってはなりません。小さいことでくよくよしたりせずにいきなさい。
 きょうは皆さん方の健康と、ご一家の福運をしっかりご祈念しましたので、安心して勉学に励んでください。
13  創価女子中学・高等学校 創立五周年記念懇談会〈昭和53年1月24日〉
 学問、人格、福運は生涯の基盤
 縁あって私の創立した学園に来てくださった方々が、今後、いろいろな人生を歩んでいくでしょう。華やかなときばかりではない。また平穏無事な人生もない。一歩社会に出れば、苦しい厳しい生活との闘争です。このときに大切なのは、学問の基本、人格の基本、福運の基本です。これが一生涯の基盤です。
 今、勉強せずして、社会に出て後悔するようなことがあってはいけない。さすがだといわれる人生でなければいけない。長い長い人生のために、自分のために、一生の幸福のために、少しの期間でも努力して、勉強してください。
 人はそれぞれどんな宿命、運命を背負っているかわかりません。女性は、ある面では、受け身の人生を歩むかもしれない。しかし私は、学園生はどこへ行っても、どこでどのような生き方をしても、どういう結果になったとしても、全部心の中に通じるように抱きかかえてあげたい。どのようになっても、私は学園生だけはかばってあげたい。ただ一人私だけは、一生涯どのようにいわれても、皆さんの最大の味方です。あの学園生はだめだったとはいいません。全員、心の中に入れて、その人をかばってあげたい。それが、私のいつわらざる心情です。
 そのような創立者であると赤裸々に申し上げて、私の話とさせていただきます。
14  創価高等学校 第八回卒業記念謝恩会〈昭和53年3月16日〉
 自己の責任を忘れぬ人生を
 本当にさわやかで、次の時代を背負うにふさわしいこのような高校生の卒業式が、日本全国、否、世界のどこにあろうかと感じていた一人であります。
 この卒業式の姿は、一畳藩ψ私の脳裏からも離れることはありません。まことに強い感動をうけた卒業式でした。諸先生方に深く敬意を表し、ご父母の方々に心からお祝いを申し上げ、また関係者の方々にも深く感謝申し上げます。
 私は仏法者として、諸君の将来にわたる努力に対して、ただ一生懸命、題目を送っておりますし、これからも送ろうと決心をしております。
 今、ここにいる卒業生の諸君は、生涯、創価学園の八期の卒業生であることを消し去ることはできません。その意味において、諸君がともかく立派に成長してくれれば、学園の存在はいやまして輝き、諸君が堕落してしまえば「何だ、あれが創価学園か」というように見られてしまい、後輩がかわいそうであります。
 人生というものは、そういう何らかの責任をもったとき、偉大な力が出るし、足跡が残せるわけであります。後輩に対する責任、親兄弟に対する責任というものを忘れてはならない。それが深い人ほど、立派な人というわけであります。
 創価学園生である諸君は、「負けてたまるか!」ということを忘れないでいただきたい。これから行き詰まることがいっぱいあります。右を見ても左を見ても、いやな世界です。学園のような美しい世界は、どこにもないかもしれません。現実社会では、策略や謀略で足を引っぱられ、苦しまなければならないかもしれません。現代は、そういう環境であり、時代です。しかし、このようなときに「負けてたまるか」「俺は負けない」というこの一言だけは、どうか胸に刻んで、これからの波瀾万丈の人生を生きぬいていただきたい、と心からお祈り申し上げまして、本日のごあいさつとさせていただきます。

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